過去ログ - 【ごちうさ】チノ「ハッピー・シュガー・ライフ」
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29: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:08:18.52 ID:Nlo6ISTLo

「もう、一つ」

ごくり。

以下略



30: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:11:08.00 ID:Nlo6ISTLo
「……わかった」

「…………」

「わたしも、かくご、決める……。チノちゃんと一緒にいられるなら、そのためなら、何でもする! してみせるよ……! 」
以下略



31: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:12:13.69 ID:Nlo6ISTLo
「ごめん、ね……頼りにならない、ダメなお姉ちゃんで……」

「そんなことありません。ココアさんは私に踏み出す勇気を、元気をくれました。今でも……ココアさんのそばにいる時間だけが、他とは違う、特別なきらめきに包まれています」

「うん……私も。チノちゃんといることが、私の一番の幸せだから……」
以下略



32: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:14:45.59 ID:Nlo6ISTLo
コトン。
示し合わせたかのように、空になったグラスをテーブルに置く音が重なる。

「さて」

以下略



33: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:17:25.45 ID:Nlo6ISTLo

―――

「えっ!? ココアちゃんとチノちゃん、引っ越しちゃうのー!?」

以下略



34: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:20:18.29 ID:Nlo6ISTLo

「……あれ?タカヒロさんが居なくなったのが昨日の夜で……って随分早いのね、決断……。というか、そんなに急がなくても……」

ビクリ。
肩が揺れる。
以下略



35: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:25:53.09 ID:Nlo6ISTLo
私の目を見続けるシャロさん。
私も見つめ返して、離さない。逸らさせない
服を辿るように右手を、そっと、ゆっくり、腰のポーチの上に、移動させて。

「何で、そんなこと、聞くんですか」
以下略



36: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:30:23.97 ID:Nlo6ISTLo
簡素な裏口から店を後にして、控室から戻ったシャロさんをガラス越しに窺います。
お客さんの前で振りまく笑顔。淀みのない手さばき。
――おそらく、気付かれた。
でもそれを言いふらす様子も、引き止める様子もない。
私がシャロさんだったら、どうするでしょうか……。
以下略



37: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:33:04.69 ID:Nlo6ISTLo

―――

黄色になった葉が石畳に落ちて、その上を靴が、車が、何度も何度も踏みつけます。
避けて歩く人なんていません。私も。ココアさんの待つ場所へ。避ける余裕もありません。
以下略



38: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:36:52.64 ID:Nlo6ISTLo
―――

「……っと。こんなものですね」

パンパンになった旅行かばんと、散らかった部屋をぐるり見回す。
以下略



39: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 22:38:26.65 ID:Nlo6ISTLo
―――

重い車輪が、がたんごとんと田舎町を滑っていきます。
私がこの街を離れるのは二度目。そして、多分最後。
目に焼き付けようとした風景はあっという間に夜の闇に飲まれ、沢山の灯りの一つになっていきます。
以下略



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