15: ◆Zo89VSw555MV[saga]
2016/03/31(木) 20:05:58.30 ID:WOjo7pAA0
空になった二つのカップと、黄色のチューリップが乗ったテーブル。
Pさんは会計を済ませるため、スーツケースを引いて先にレジへと向かっている。
椅子を引いて立ちあがろうとした時、カップの奥底に、何か文字が刻まれている事に気がついた。
「No regrets!」
驚いてPさんの会計をしている店員さんを見て見ると、こちらに気づいて彼はしわだらけの顔で笑った。
あの人は、この言葉の通りに生きてきたのだろうか。
いいや、きっと違うだろう。だって、この店の名前は黄色のチューリップなのだから。
「夕美、行こうか」
「う、うん」
通りすがり、店員さんに一礼して外へ。
その時、視線が下を向き、自然に彼の左手が目に入ってきてしまう。
カウベルが背中を押すように響き、Pさんを追ってに私は早足で歩きだした。
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