過去ログ - 屋上に昇って.
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188:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 23:44:06.77 ID:JrT/SnH5o

「……でも、待ってたって、何を?」

「タクミくんの心の準備ができるまで、ですよ」

「準備」

「それまではわたしだって、気を利かせて待ってたんです」

「……はあ」

 まあ、たしかに、それどころじゃなかったのは、本当だけど。
 今が全部片付いたかっていうと、そうでもなくて。

 返答に困る。

「だからこれからは、たくさんわがまま言いますからね」

「……覚悟しとく」

 助手席から、くすくすというひそかな笑い声。

「ちい姉、何笑ってるんですか」

 照れたみたいに、るーが声をあげた。

「なんでもない」とちい姉は楽しそうに笑った。

「ホントに覚悟してたほういいかもよ、タクミ。るーのわがままは、きっとすごいから」

「ちい姉!」

「自分で言ったんでしょ?」

「そうだけど……」

 戸惑ったようなるーの態度が妙に新鮮で、俺もなんとなく楽しくなって笑ってしまった。




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