25:名無しNIPPER[saga]
2016/04/06(水) 00:35:14.32 ID:IXgA3K/jo
「ねえ、タクミくん、あの夏休みに、タクミくんがこの街に来たのは、どうしてですか?」
「……え?」
「その理由が、わたし、知りたいです」
「理由……」
母親が、
静奈姉の母を、頼りにしていた。仲が良い親戚同士で、いろんなことを相談していた。
そのときも、何か、相談したいことがあると言って、母さんは、
相談したいこと。
「――どろぼう」
とるーは言った。
その一言で、一挙に記憶が押し寄せてくる。
その濁流に呑まれそうになる。
意識が、急に、ここじゃないどこかにさらわれそうになる。
それを俺は、ぎりぎりのところで押しとどめた。
漠然としたイメージが、ただ、印象だけになって、俺のもとに残される。
396Res/275.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。