331:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:28:57.23 ID:Fxr7uh8Eo
「どうせ今日、誰もいないし」と佐伯。
「ちいちゃんのお兄さん、いないの?」
332:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:29:26.27 ID:Fxr7uh8Eo
まだすこし明るさの残る宵の口に、俺達は夕闇にまぎれて光を撒き散らした。
中身のある会話なんてほとんどなにもせずに、煙と火の粉のなかで踊るみたいにはしゃいだ。
どこかの部族の祝祭みたいに。
333:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:29:59.05 ID:Fxr7uh8Eo
◇
翌週のある日、俺は静奈姉と一緒に、彼女の実家へと向かっていた。
334:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:30:25.46 ID:Fxr7uh8Eo
そんな話をしたところで、家の中から話し声が聞こえてきた。
「あ、しいちゃん」
335:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:31:23.89 ID:Fxr7uh8Eo
話を遮るみたいに、ちい姉が口を挟んだ。
「……あの、忘れ物しちゃったみたいだから、ちょっと取ってきますね」
336:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:32:02.72 ID:Fxr7uh8Eo
取り残される、俺と静奈姉、と、遊馬兄とユリコさん。
……妙な事態に巻き込まれてしまった。
337:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:32:34.87 ID:Fxr7uh8Eo
「静奈、あんたまさか……まだ引きずってるとか?」
「……」
338:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:33:15.85 ID:Fxr7uh8Eo
というか本当に。
さっさと逃げてりゃよかった、と思った。
どう考えても巻き込まれていた。
339:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:33:50.80 ID:Fxr7uh8Eo
「あ、えっと」
沈黙を破ったのは遊馬兄だった。
俺は彼が、どうにかしてこの空気を変えてくれるように祈った。
340:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:34:31.73 ID:Fxr7uh8Eo
「いくらなんでも今のは……」
「さいてー」
341:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:34:59.89 ID:Fxr7uh8Eo
「……ユリコさん、さすがにさっきのは、ちょっとひどいんじゃない?」
諌めるみたいに、彼女はユリコさんに話しかける。
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