353:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:42:22.61 ID:Fxr7uh8Eo
◇
部活のメンバーで新しくできた水族館に行こう、と言い出したのは佐伯だった。
みんな意外な顔をしていたけど、そういえば俺は、佐伯がそんなことを言っていたのを思い出した。
みんなでどこかに行きたいね、って。
そして俺達は、夏休みも中盤に差し掛かった頃、電車とバスを使って本当にみんなで水族館に行った。
途中のコンビニで飲み物を買った時、ゴローが財布に入っていた五百円玉を全部、海外のどこかで起きた地震の義援金に募金するのを見た。
それを見ても、誰も何も言わなかった。せっかくだから俺も財布に入っていた五百円玉を箱の中に入れてみた。
特に何の感慨も湧かなかった。
水族館にはなぜかリスがいて、スマートフォンでそのリスを接写することに成功したるーは、
それからしばらくの間、ラインのアイコンをリスの写真にしていた。
帰り道の途中で嵯峨野連理を見つけた。彼は付近の海浜公園で、何かの本を読んでいるようだった。
俺は声を掛けずに通りすぎた。彼はこちらに気付かなかった。
別の日、俺とるーはふたりで市民プールに行って、子供たちに混じって水泳の練習をした。
彼女は十メートルくらいは泳げるようになった。
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