過去ログ - ちひろ「プロデューサーさんとの幸せな日々」
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15:名無しNIPPER[saga]
2016/04/06(水) 04:31:10.15 ID:yjfF0art0

「――何を迷ってるの?」

 首輪をじっと見つめる男に、凛が微笑みかけた。一番かわいいと言ってくれたその笑顔に、男のズボンが膨らんだのを凛は見逃さない。

 男の性欲は異常だった。ここでの生活を始めてからしばらく経つが、彼の体力と精力が衰えたことは一日もない。彼から求めてくることは決してないが、毎日一人を相手にするというルールには大人しく従っていたし、一度その気にさえすればただの獣に成り下がる。

 男は行き過ぎた情動を抑え込むために自分自身を殺し、仕事に没頭し、立派なプロデューサーを演じることで、けだものじみた性欲に枷をした。アイドルをそういう目で見てしまう自分を抑えてきた。きっと今までそうやって生きてきたのだ。性に目覚めたときから、身近な異性を想像の中で凌辱し穢してしまう自分に自己嫌悪を抱いてきた。それはおそらく大人になっても変わらなかった。

 十年以上も続けてきた抑圧と抑制で、男の自己嫌悪はもはや呪いの域に達していた。その呪いを解いてあげたいと凛は思う。自分を好きになることは素晴らしいことなのに、それができないのは悲しいことだ。自分を好きになれれば、自分を信じられる。自分を信じられれば、他人を信じられる。他人を信じられるなら、愛を生みだすことができる。愛を生み出せるなら、幸せになれる。

 凛にそれを気付かせてくれたのは、他でもない。プロデューサーだった。

「ねえ、プロデューサー。私、綺麗になったよね。綺麗な子にそういうことしたいって思うのは、悪いことじゃないんだよ。普通だと思う。支配欲とか、独占欲とか、誰だってあるよ。当たり前のことなんじゃないかな? 変じゃないよ。好きだからセックスがしたい。大好きだからいろんなセックスがしたい。私はプロデューサーが好き。一日中していたいくらいに好き。プロデューサーは、どう? 私のこと、好き?

 ……なんて、ね。答えられないよね。知ってるよ、ちょっと意地悪したくなっただけ。プロデューサーは、わからないんだよね。私を抱きたいから、私が好きなのか。それとも私が好きだから、抱きたいのか。愛情が先なのか、性欲が先なのか、わからないんだよね、プロデューサー。

 でもさ、それってキッチリ分けなきゃいけないのかな。好きな人とセックスしたいって言うのは、人間として当たり前の欲求だよね? そこには良いも悪いもないと思うんだ。善と悪を超えたところにある、純粋な気持ちだから。

 さわって、ここ。感じる? 私の心臓の鼓動。これが私の気持ち。プロデューサーと一つになりたいっていう、私の気持ち……伝わってるよね? じゃあプロデューサーは、どうかな……?」

 凛はぴったりと身体をくっつけると、男の胸に耳を当てた。心地よさそうに目を閉じる。

「……うん、聞こえる。プロデューサーの気持ち。私ね、知ってるよ。プロデューサーはものすごい変態さんで、それを誰にも言わずに隠してきたこと。セックスは汚くて悪いものだと思ってるんだよね。確かに気持ちのないセックスなんてただの暴力でしかない。でも、プロデューサーのここには気持ちがある。私と同じ、好きだから一つになりたいっていう気持ちがあるの。だからおかしくなんかないよ。プロデューサーは間違ってない。男の人がこうなるのは、当たり前のことなんだよ」

 男の、ズボンを突き破らんばかりの怒張を撫でて、凛はすこし身体を離した。

「私はプロデューサーに自分の心と向き合ってほしい。自分の気持ちを拒絶してほしくないの。自分を認められないって、とても辛いことだから。だから素直になって、したいことをして。私が受け止めるから。プロデューサーがしたいことなら……全部、受け止められるから」

 凛は首を差し出した。男の手が、黒い首輪を細い喉にあてがった。震える指が、苦しくないように、白い肌を傷つけないように、細心の注意を払って首輪を締める。

 首輪を嵌められると、凛はぱっと男から離れてベッドに飛び乗った。シーツの上で犬のように四つん這いになり、尻尾の代わりに尻を振る。ぱっくりと開いた陰唇から滲み出る愛液を見せつけながら、凛は熱っぽい目で男を振り返った。

「……わんっ!」




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