過去ログ - モバP「二兎追い人の栞」
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4: ◆m03zzdT6fs[sage saga]
2016/04/10(日) 21:08:29.22 ID:qn31rgISo
 だから、少なくとも僕は普通の人間じゃあない。もちろん悪い意味で、だ。普通の人なら”一兎”だけを追う。だって”二兎”を追っても格言の通りになるだけだから。それが普通のことだから。

 なのに僕は”二兎”を選んだ。そうだ、本当の馬鹿正直みたいに”一兎”を追えばよかったのに、ひねくれたただの馬鹿となって僕は”二兎”……いや、見える限りの”兎”を追っている。

 ああそうとも、知っているよ。人生は有限だ。だから”一兎”を追うべきだ。普通の人と比べて、”一兎”あたりの追える時間は少ないのだから。

 でもこれでいい。この人生が、幸せでないはずがない。好きなことをずっとしていられる人生が、幸せなものでないはずがない。

 そうさ。少なくとも人生が終わるその時に。

『もっと好きなことが出来たかもしれない』

 なんて、思わないですむだろうから。

「……それでも。少しぐらい、ほんの少しくらいは、体を気遣っても」

 うん、それは正しい。正論だと思う。ぐうの音も出ないくらいに。何一つ言い返すことができないぐらいに。

 だから僕は言い返さない。言い返すことなんてできないし、する必要もない。喋っている暇も休んでいる暇も、きっとない。こんな人生を選んだ僕に、それが赦されるはずがない。

 言っただろう? 人生は有限なんだ。だったらなおの事、時間を無駄にはできない。その結果、例え短い命になるとしても、それでいい。今日を生きるために、全力を尽くした証拠だから。

 今日という日を、ただひたすらに限界まで生き抜く。そんな戦国時代のサムライみたいな考え方、今の世の中じゃあ流行らないけれどね。



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