過去ログ - 唯「天使再来襲」
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13:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/17(日) 22:51:37.96 ID:skFt6CMPo

さっきの天使が結局あの家を開けてもらえなかったんだろうか、わたしの方向に歩いてきた。
顔は右に75度曲がってて、腕はだらんと下に垂れ、背骨が折れてるんだろうかひどく猫背になっている。両足を背中側に投げ出して膝で進んでいるせいで、天使の衣装である長くて白い半透明のローブがずっと後ろから地面をひきずってついてくる。
新婦入場。じゃなきゃ、なめくじ。
珍しい光景じゃないけど実際ちょっとびびる。
天使がわたしの前でとまった。声には出さないけど、ひっ、って感じ。
食べないでくださいわたしはおいしくないですお腹が減ってるならおいしいともだち紹介します。
そして、天使は右手を差し出した。
そこには、ガラスのおはじきがふたつ赤と青、ピンクのプラ櫛、鳥の羽。
天啓。
顔あげて(ぎゅんって動く、わぁ)、わたしを見た。
言う。

「#▽∝♪※」

天使の言葉は人間にはわからないのだ。
もしも、りっちゃんだったらいますぐ傘を畳んてバットみたいにして天使をフルスイングしただろう。ほんとのとこそこまで暴力的じゃないとしても、つばくらいは吐きかけたかも。澪ちゃんなら悲鳴を上げて逃げだしただろうし、ムギちゃんは申し訳なさそうにごめんなさいって言ってそこをあとにしたと思う。あずにゃんは……まあ、あたえるほうだよね。
だけど、わたしはそれを受け取った。
ありがとうって言って笑う。天使がなにか天使の言葉で言って、それからくるりと背中を向けて、5ブロックくらい先に歩いていったあとに、突然羽を開いて宙に浮かんだ。
彼らは役目を終えると天に帰って行ってしまうのだ。
後に残されてしまったわたしは、手のひらのがらくたをじっと見つめたあと、制服のポケットにしまった。膨らんだポケットがさらに大きくなった。こんなことを続けているといつかその重さで破れちゃうだろうな。



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