15:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/17(日) 22:52:45.46 ID:skFt6CMPo
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夕ご飯のあとお父さんとお母さんは喧嘩をはじめた。
雨が降る前に黒雲が集まるように、天使が降る前に天国が現れるように、前々から兆候はあったのだ。
前は家族4人で夕ご飯を食べたりなんかはしなかった。
お父さんはフリーのスポーツライターだったので世界中に取材に出かけていて、お母さんもいつでもそれについて行き、だからそれはちょっとした旅行(ふたりの言うところの毎日が記念日だよねハネムーン)でもあったけど、この町に天使が降るようになってから少ししてふたりは「愛する子のために」という理由で家に帰ってきた。
帰ってきてからのふたりはなんだかよそよそしい感じで、明らかに口数は減っているようだったし、お父さんが取材でどこへ出かけようともお母さんはもうついては行かなかった。
もちろんふたりともわたしと憂の前では、天使たちさえいなければもう問題はなにもないよねオールオッケーってふうに相変わらず仲がよすぎる夫婦でいたけど、それがポーズにすぎないってことはわたしも憂も簡単に見抜いてた。なのにお父さんもお母さんもずっと家を開けていたせいで、わたしたち姉妹がそんなことでひっかかるほどもう子供じゃないってことが実感できてないのだ。
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