過去ログ - 唯「天使再来襲」
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26:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/17(日) 22:59:57.61 ID:skFt6CMPo

こんなふうに天使と手つないで歩いてるところを誰かに見られたりでもしていたらけっこうやばい。
最悪、あずにゃんのことをごにょごにょしたいんだって思われるかもしれない。
実際のところわたしは男の子じゃないし、そんなことにはならないだろうけど、なかには法的に微妙なところがあるなって考える人もいて、でもたいていは死体損壊が適用される。
あるいは倫理観が天使に対しては働かないのかも。これはちょっと逆説的。
まあだけどそうじゃなくても、発見されればわたしは頭がちょっとおかしいんだということになるし、「あのあのあの平沢さんちの子、あの子天使と友だちなのよ、やあねえ」っていうことにもなる。朱に交わればなんとか。家訓一、不良の子とはつきあってはいけません、みたいな。お母さんだってけっこう怒ると思うな。自分はおばあちゃんの天使がどうこう言ってたくせに(まあ物事には場合と限度があるってことだよね。ちゃんとわかってる。ちぇっ)
あずにゃんにこうやって会っていることをみんなにも言っていない(憂は感づいてるみたいだけど)天使に近づきすぎると、その人もまた天使になってしまう。そんなことさえ、まことしやかに囁かれている。
ゾンビに噛まれたらゾンビになっちゃうみたいに。
あるいはわたしはもう天使になりかけているのかもしれない。
とにかく、わたしはあずにゃんを人目のつかない裏路地へと引っ張っていく。
左右の家の高い塀が囲む小さな道。大きな暗渠の中をかがんで歩く。空き家の庭を通り抜けて、ラーメン屋のにおい。虫の声。田んぼのあぜ道を過ぎると、大きな工場が。三本足の大きいタンクからたくさんの四角いパイプがぐにぐにと絡み合って鉄塔に変化して空に向けてのびている。白い煙。流れる細い川のへりをたどれば、橋のふもとの錆びた鉄階段を上がって、なにもかも思い出すことができるだろう。



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