過去ログ - 唯「天使再来襲」
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27:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/17(日) 23:00:31.05 ID:skFt6CMPo

わたしたちは校庭に立っている。
あらゆる施設は天使以後厳重な戸締まり体制を敷いている。
もちろん桜が丘女子高等学校だってその例にもれない。
だけど女子高生なら夜の学校に忍び込む方法の1つや2ついつでも頭に入れて置いているものだ。
今いちばんホットな侵入経路は西バレー部ルートだと言われている。
これはその名の通りバレー部の子たちが開拓した方法で、バレー部は部室として体育館の第二倉庫の一部を使うということになっているんだけど、第二倉庫は部室としての場所と体育用具がおいてあるところに分かれていて、さらに用具置き場の奥にはほとんど使われないマットなどが積んである小さなスペースがある。
その上のところにちょうど人ひとりが入れるくらいの大きさの窓があり、外から見るとそれはちょうど室外機の上の部分にあたるということになっている。
そこが侵入点となる。
先にあずにゃんを窓の中に押し込み(これが一苦労だった)マットの上に飛びおりると、埃が舞った。
部室にはってあるバレー選手のポスターの裏側には体育館の鍵がかけてある。
校内に夜警はいない。
室内だと傘をさす必要がなく両手が空いたので、わたしはあずにゃんを抱くようにして、軽音部の部室まで連れて行く。
部室の前で床におろすと、あずにゃんはおずおずとあたりを歩き回った後、部室のドアをノックした。
こん、こん、こぉぉん。
はたして天使はなにかを懐かしがったりするだろうか。
そんなことをふとわたしは思う。
あずにゃんはドアに手をかけて押した。
だけど開かない。
バリケードが後ろにはそびえている。
あずにゃんはドアを一生懸命押している。
わたしは笑った。
天使の知らない秘密を言う。

「あずにゃん、これ、引くドアだよ」



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