過去ログ - 唯「天使再来襲」
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71:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/17(日) 23:30:43.75 ID:skFt6CMPo

わたしはまだ逆巻いてる。
スポットライトがステージの上のわたしたちを照らす、蒸し暑い夏の夜の喧噪遠い音楽、りっちゃんがくだらない冗談を言って澪ちゃんが怒ってムギちゃんが笑う、あずにゃんが言う「わたし、もう一度唯先輩のギターを聞きたいです!」、わたしが言う「あんまりうまくないですね!」、中学校の卒業式に泣かなかったのはなんでだったろう、もっと過去、若い母親と父親の姿、憂が泣いているわたしは割れた首の取れた人形をつかんでいる、さらに幼い憂は笑ってる、わたしは小さい、四つん這いになって後ろ向きに高速で進む、声がした、黒い影、誰かが言う「まるで天使みたい」、だけどわたしは大声で泣きはらし、暗い暗い穴の中に吸い込まれ、そして再び死んで天使になるーーそのとき、天啓が降ってきた。
落ちた天使に誰かが頭をぶつけたっていう新しい意味じゃなくて、アイデアがひらめいた!っていう昔からの。
それはこういうこと。
あずにゃんにとってこのピックってそんなに大切なものじゃない。
あずにゃんは本当にそのピックを返したかっただけなのかもしれない。あずにゃんはわたしが修学旅行のおみやげにピックなんか買ってきたことをほんとに怒っていてこんな物いらないですよって感じにわたしに押し返してきたのかも。
人間だったときは口に出せなかったけど。
その気持ちは分かる。あずにゃんも優しいのだ。わたしみたいに。
わたしは笑った。

「そっか、そうなんだよ!」

急にわたしが笑い出したから、周りのみんなは驚いた。
ぽかんとしてわたしのほうを見てる。
笑い声が澪ちゃんを自分だけの世界から引きずりだす。ムギちゃんはいつの間にか泣きやんで頭の上にはてなマークを浮かべてる。りっちゃんと顔見合わせて首を傾げた。



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