過去ログ - オッサン勇者と少女魔族が世界を旅する話
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名無しNIPPER
[saga]
2016/04/25(月) 01:00:53.85 ID:OK3h9Lnco
二年前。勇者が魔王の居城に乗り込み、魔王の側近により意識をとばされた直後に時は遡る。
三度目の魔力波を受け、勇者の意識は完全に途絶した。
力なく投げ出された両腕。色なく虚空を見つめつづける双眸。自ら作った血だまりの中心で倒れ伏す身体。
それでもなお勇者の肉体は生命活動を続けており、二体の魔族が持つ知識における人間の範疇を完全に超えていた。
しかし側近は勇者の肉体の頑強さよりも、行動の不可解さを潜思していた。
『なぜ、ニンゲンは……いえ。この者は勝てぬとわかっていて向かってきたのでしょうか』
『それは、余への問いか?』
『い、いえ! そのようなつもりは決して。ただ、つい声に出てしまったのです』
魔王は慌てふためく側近を見て、微笑を口角に浮かべた。
自らの主の喜色を浮かべた笑みを側近は数百年仕えて初めて目にし、さらに思考は迷路へと向かう。
側近の当惑した面持ちに、魔王は表情をさらに緩めた。
『フフ。いや、よい。では、余から問おう。気になるのか? そのニンゲンが』
『……はい』
側近は、率直に答える。
勇者のあまりにも不合理な選択、あまりにも非論理的な意思決定、あまりにも無意味な行動に、側近は理解できずに困惑が続いていた。
しかしそれでいて生涯において初めて出会う未知の感覚に不思議と勇者から目を離せないることも、また事実であった。
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