過去ログ - きらり「おおきい背丈とちいさい心」
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7:名無しNIPPER[sage]
2016/04/18(月) 22:46:28.48 ID:AhvvHGwlo
支援
8:名無しNIPPER
2016/04/18(月) 22:49:46.79 ID:ktAYgYPU0
学校が提示したいくつかの選択肢から、2週間働く職場を決める。
「図書館とか……ないよね」
夏休みの気配に浮かれたクラスの誰もが、友達と一緒の職場を相談する中、きらりはただ一人、立ち尽くしていた。
9:名無しNIPPER
2016/04/18(月) 22:52:59.90 ID:ktAYgYPU0
終業式の翌日、諸星家のポストに、一枚の封筒が入っていた。
「ふたば保育園?」
ピンク色の、花をあしらった便箋に、滅多に職場体験が来ないこと、来てくれてとても嬉しいこと、
10:名無しNIPPER
2016/04/18(月) 22:58:25.90 ID:ktAYgYPU0
指定された住所に、重い足取りを運ぶ。赤レンガの屋根と色彩鮮やかな花が描かれた壁。
その門を潜ると、わっ、という音の塊がきらりを包んだ。
歌声、泣き声、笑い声。クラスでいつも聞くような悪口や陰口は、そこにはなかった。
11:名無しNIPPER
2016/04/18(月) 23:02:43.78 ID:ktAYgYPU0
最後まで言い切る事は出来なかった。
「諸星先生って先生のこと?」「先生お名前おしえて!」「見てみて、泥団子!」
エクスクラメーション・マークとクエスチョン・マークに前後左右を取り囲まれたのだ。同じく、その声の主達にも。
12:名無しNIPPER[sage]
2016/04/18(月) 23:15:46.03 ID:rK5CH3m0o
>>「諸星なんて名前、ウルトラマンじゃん!お前ピッタリだな!」
おう、ちょっと来いや。セブン全話鑑賞な。寝たらしばくぞ、こら
13:名無しNIPPER
2016/04/18(月) 23:19:47.62 ID:ktAYgYPU0
>>12 (ティガ世代です)
「ごめんね、めったに新しい先生なんて来ないから」
双葉園長と名乗ったその中年女性は、謝り半分笑い半分にそう言った。
14:名無しNIPPER[sage]
2016/04/18(月) 23:22:30.12 ID:mzW8XV9zo
地元だと保育園・幼稚園の職場体験は争奪戦だったなぁ
15:名無しNIPPER
2016/04/18(月) 23:24:07.23 ID:ktAYgYPU0
なんだか丸め込まれたような気分になりながら、きらりは更衣室に荷物を置き、教室へと向かった。
『ひまわり組』そう切り抜かれた画用紙と、大きなひまわりがいくつも、窓に貼られていた。
「みなさん、こんにちは。この人は、今日からしばらく、みんなと一緒に勉強するお友達です」
16:名無しNIPPER
2016/04/18(月) 23:27:20.13 ID:ktAYgYPU0
「ぁえ、っと、も、諸星、きらりです…よろしくお願いします」
消え入りそうな声でしか言えなかった。自分を見上げる、幾つもの目線。
ああ、やっぱり駄目だった。私は、人と関わっちゃいけないんだ。
17:名無しNIPPER
2016/04/18(月) 23:30:28.92 ID:ktAYgYPU0
「かわいい!」「私もきらりちゃんがよかった!」「私も!」
どっ、と教室が沸き立った。
「さあ、諸星先生と一緒に遊びたい人は誰かな?」
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