過去ログ - これから日記を書く 五冊目
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959: ◆9W6PAVDo7.[saga]
2016/09/14(水) 01:35:54.23 ID:0zc7yoLU0
輸送ヘリ内は轟音に包まれている。その中で運ばれている兵士達は一切の無言だ、ヘッドセットをつけている隊長と思われる人間さえも、言葉を発する様子はない。全員がヘリの規則的な揺れに身を任せている。

パイロットが目標を発見したのか、ヘリはその場に制止した。左右にある扉が開けられ、雪まじりの寒気が機内に入り込んでくる。兵隊たちはそれを合図するように、扉の前に向かい2人1組で次々とロープを使い降下していく。

最後の兵士2人が見えたのは、残骸になった輸送ヘリと、群がってきているゾンビを仲間達が処理している光景だった。その内の1人はすでに指示を受けていた逃亡者を探す為、ヘリ内部に入っていく。自分が乗ってきたものと同じ構造をしたそこには、物も何も散乱していない空っぽの状況。

死体や血痕は見当たらず、銃声を背後にしながらコックピットへと向かう。そこには、今回の任務で探し出すべき相手が、操縦席で横たわっていた。すでに身体は冷たく、死んでいるのは間違いない。そして、持っているとされる自分達の情報が入ったメモリチップがないか検めるが、銃以外は何も持っていなかった。

そうなると、落下の際にどこかへ落としたか。隠したのかという判断になるが、逃亡者が何かをしまってから飛びたてるような余裕はなかったと聞く。ましてやこの墜落で死んだのなら、その周辺かヘリ内部以外はあり得ない。兵士が調べようとして、何かの音につられてコックピットから外を見る。

それは、さっきまで自分が乗っていた輸送ヘリが、地面にぶつかり砕けるところだった。


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