過去ログ - 【モバマスSS】少女は星に願う -SS速報VIP

過去ログ - 【モバマスSS】少女は星に願う

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11:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 21:48:32.57 ID:zXwA2lSdo
「おはようございます」

扉の前には、うちの看板アイドルの一人「高垣楓」がそこに立っていた。楓は私の古くからの友人だ。私が、このCGプロに就職すると聞くやいなや、モデルからこのCGプロに就職してきたのだ。何で？　と理由を聞いても、いつも面白くない駄洒落ではぐらかされるので、結局何でここに来たのか私は知らない。

「おはよう。ところでかなり早くない？　仕事までまだ３時間もあるけれど……」

12:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 21:49:26.12 ID:zXwA2lSdo
千川さんもいるんだけど、と言おうと思ったが、無粋だと思ったので言わないでおこう。本当に楓は昔からこうだ。いまいち、全容がいまだにつかめないのだ。この職に就いてから人を見る目がついてきたとは思うのだが、彼女だけは、高垣楓だけは理解できなかった。
例えるなら、子供や猫といったところだろうか。

13:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 21:49:59.76 ID:zXwA2lSdo
「ふう……」

仕事も、ひと段落ついて時間もいい具合なので私は休憩することにした。私が立ち上がると楓が、期待した眼差しでこちらを見てきたので私は仕方なく楓に声を掛けることにした。

「今から一緒にランチでもどう？」

14:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 21:50:35.47 ID:zXwA2lSdo
「その後、仕事だからね？」

「それくらい分かってますよー」

楓は頬をフグみたいに膨らませて、私の方を向いた。私はそれがおかしくて少し笑ってしまった。

15:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 21:51:49.42 ID:zXwA2lSdo
「それでは、行ってきますね」

「はい、それではごゆっくりどうぞ」

千川がやけに笑顔なのが気になったが、私と楓は外に出た。

16:名無しNIPPER[saga]
2016/04/27(水) 21:52:15.57 ID:zXwA2lSdo
とりあえず、お腹が痛いので今日はここまでにしておきます

17:名無しNIPPER[sage]
2016/04/27(水) 22:09:50.11 ID:yXzx43dbo
期待

18:名無しNIPPER[saga]
2016/04/28(木) 18:37:29.11 ID:BZ3b8nSVo
「あの……。そんなにジロジロみられるとすごく食べ辛いのだけど……」

「そうですか？」

キョトンとした顔で、そう言ったので仕返しに、私も楓と同じように見つめ返してやった。最初は何食わぬ表情で、黙々と昼食のスパゲッティを食べていたが、徐々に顔が真っ赤に染まっていった。

19:名無しNIPPER[saga]
2016/04/28(木) 18:37:56.26 ID:BZ3b8nSVo
「ありがとうございましたー」

会計を終えて、私と楓は一度事務所に戻ってから、楓の収録に付き合うことにして、Aテレビ局へと向かった。

20:名無しNIPPER[saga]
2016/04/28(木) 18:38:57.54 ID:BZ3b8nSVo
「見ててくださいね。モバPさん。私……頑張りますので」

「そう……、頑張ってね」

楓は、私に微笑みを向けて収録へと向かって行った。輝くスポットライトの舞台――。選ばれたものだけが入ることが出来る聖域に、私にはそこがキラキラと輝いて見えた。

21:名無しNIPPER[saga]
2016/04/28(木) 18:39:41.49 ID:BZ3b8nSVo
「いやぁ……、噂通り君も中々可愛いじゃないか」

「そんな……、買い被りすぎですよ」

臀部に伝わる感覚を感じながら、私は返事をした。この中年はこの番組のスポンサーだ。セクハラをすることで業界でも有名な男だ。

22:名無しNIPPER[saga]
2016/04/28(木) 18:40:08.82 ID:BZ3b8nSVo
「収録お疲れ様でしたー」

番組の収録が終わって、私と楓は楽屋で帰る準備をしていた。

「そういえば、収録の時少しぼぉーっとしてたでしょう？　分からないと思ったら大間違いだから」

23:名無しNIPPER[saga]
2016/04/28(木) 18:40:53.74 ID:BZ3b8nSVo
「というわけで、ご一緒にどうですか？」

楓が、上目遣いになって私の方を見つめた。大抵の男性なら恋に落ちてしまいそうだが、残念ながら私は女だ。それに、今日は……。

「ごめんなさい。今日はまだ仕事が残っているの。大事な仕事がね」

24:名無しNIPPER[saga]
2016/04/28(木) 18:41:33.82 ID:BZ3b8nSVo
「301……ここね」

今日の収録中、スポンサーの男から胸ポケットに入れられた鍵を手に取って、私は部屋の中に足を踏み入れた。

「待ってたよ。さあ、先にシャワーを浴びておいで」

25:名無しNIPPER[saga]
2016/04/28(木) 18:42:09.90 ID:BZ3b8nSVo
私は、身に纏っているバスローブを脱ぐとスポンサーの男は私をすぐベッドに押し倒した。男の汚れた手が私の身体を蹂躙していく。乱雑に弾く子供のピアノのようにその触り方は乱暴だ。

「随分と感じているみたいだね」

ただの演技だという事をこの男は気づくこともない。私はその男の乱雑な指の動きに合わせて、声を出しているだけだ。

26:名無しNIPPER[saga]
2016/04/28(木) 18:42:51.57 ID:BZ3b8nSVo
「いやー、気持ちよかったよ。最初、高垣楓と枕できないって言うから怒りそうだったけど、代理の君の写真を見て、了承したんだ。君可愛いよね。もしよければうちの事務所に秘書として来ない？」

「それはできません」

私はきっぱり断った。

27:名無しNIPPER[saga]
2016/04/28(木) 18:43:31.93 ID:BZ3b8nSVo
シャワーから戻って、窓の外を見ると既に空の端が明るくなり始めていた。

「あ、そうそう。今度、うちの企画で仙台でアイドルたちの祭典を開こうと思うんだけど、君の所のアイドル出したいんだけど、どう？」

「ありがとうございます。是非出させてもらえると、幸いです」

28:名無しNIPPER[saga]
2016/04/28(木) 18:44:26.58 ID:BZ3b8nSVo
「おはようございます」

誰もいない事務所のドアを開けて、私は中に入って仕事の準備を始めた。仙台公演が決まったことだし早速資料作りに取り掛かろう。

「やあ、モバP君。昨日はお疲れ様」

29:名無しNIPPER[saga]
2016/04/28(木) 18:44:58.11 ID:BZ3b8nSVo
「おはようございます。モバPさん。今日も早いですね」

「おはよう。千川さん」

いつもの蛍光色のスーツを着て、千川が出社してきた。

30:名無しNIPPER[saga]
2016/04/28(木) 18:45:47.57 ID:BZ3b8nSVo
「おはようございまーす！」

扉を勢いよく開けて、男Pが中に入って挨拶した。仙台公演に出演することが決まったことを伝えると、喜んではいるみたいだったが、想像と違って案外落ち着いているみたいだった。何故なのかと尋ねると、男Pはこう言った。

「この時の喜びを、仙台公演が終わるまで取っておきたいんです！　今は、喜ぶよりライブの事を考えるのが先かと思いまして」

31:名無しNIPPER[saga]
2016/04/28(木) 18:54:19.58 ID:BZ3b8nSVo
そして、それから何回も会議を重ねて仙台へと向かうアイドルを決定した。

出演アイドルはうちのアイドルたちの中でもある程度世間に名前が知られている渋谷凛、島村卯月、城ヶ崎美嘉、城ヶ崎莉嘉、高垣楓、本田未央、双葉杏の七人に決定した。

一大イベントという事もあって、色々不安もあったが、必死に頑張っているこの子たちを見るとそんな不安はどこかに消えていった。

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