5:名無しNIPPER
2016/05/03(火) 22:17:18.74 ID:G1lrEIoLo
「近々行われる年齢別にユニットを組んでの対抗戦フェス、その14歳代表に推薦したら通ってな。三人組が上限で二人までは決まってたんだけどさ」
「代表、ね。ボクが世代を象徴するにふさわしいと?」
いわゆる中二、思春期真っ只中の14歳であることは自覚している。しかしアイドルとして選出されるなら、この世界に踏み込んでまだ浅いボクより他のアイドルの方が代表されるべきではないのか。
「せっかくだからこれを機に売り込もうってわけだ。同い年で組めばきっと良い刺激にもなる。それに知名度はともかくとして、能力で劣るなんてことはないよ」
「ふぅん。だいぶ買われてしまっているみたいだね」
とはいえ、誰かと組なきゃいけなくなったと考えると、だんだん乗り気ではなくなる。
ボクがこの場所で信用しているのは彼だけであり、他のオトナやアイドル達に興味はなかった。
……キミさえいればいいのに。
心に残った古傷が、少し痛む。
「さて、あいつらは来てるかな」
彼が目的地である一室のドアを開き、促されるように中へ入る。そこには見覚えのある、そして彼があいつらと呼んだ二人がそれぞれ待機していた。
「どこ行ってたんですか、プロデューサーさん! せっかくボクが早くきてあげてたというのに……おや、そちらの方は?」
「ククク、今宵のミサに招かれし同胞よ。邂逅の刻をまずは祝おう!」
輿水幸子。自身のカワイさに絶対の自信を持ち、ボクと同じく一人称に「ボク」を用いるアイドル。
神崎蘭子。ゴシックロリータ風の衣装に包まれ、独特な口調に彼女のセカイを感じさせるアイドル。
……だったかな。興味のなかったボクでも知っているくらいだ。
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