過去ログ - 伊織「あいつと喧嘩した」
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20:名無しNIPPER[sage]
2016/05/05(木) 00:29:02.68 ID:1EMEuCfU0
私は、コートとお揃いのマフラーを手に取り、それを首にまわしながら、

「あんたこそ、あの人の所でも、行って来たら」

と言った。
以下略



21:名無しNIPPER[sage]
2016/05/05(木) 00:30:01.29 ID:1EMEuCfU0
「どうして分かってくれないんだよ」

必死の表情で、あいつは言う。
許してしまいそうに心が揺れるけれど、ここは我慢。

以下略



22:名無しNIPPER[sage]
2016/05/05(木) 00:31:20.04 ID:1EMEuCfU0
私だって悪いということは分かってた。

それでも心の底で、あいつに引き留めて欲しいという気持があった。

けれど、無理みたい。
以下略



23:名無しNIPPER[sage]
2016/05/05(木) 00:32:33.98 ID:1EMEuCfU0
マンションホールから扉の向こうを眺めた。

昨夜からの雪は既にやんで外は抜けるように青く、それでいてぼうっとしてとらえどころの無いような表情を見せいていた。

一面に白い雪が辺りを埋め、日常を覆いつくしていて、まるで知らない街に来たような錯覚を覚えるほど、いつもとは違った光景に見えた。
以下略



24:名無しNIPPER[sage]
2016/05/05(木) 00:33:16.54 ID:1EMEuCfU0
アイドルを引退して事務所の社長になってから、私の行動パターンは日増しに乏しくなって来てる。

ほとんど毎日、家と事務所の往復だけで一日が終わる

せっかくの休みや土曜、日曜はたまっている家事をしたり、疲れたからゴロゴロしてることが多い。
以下略



25:名無しNIPPER[sage]
2016/05/05(木) 00:34:41.68 ID:1EMEuCfU0
それに最近、あいつが以前ほど私と外に出かけたり、遊んだりすることを楽しいと感じなくなったからのような気がする。

アイドルだった時や二人で暮らし始めた時に感じていた、二人でいる時の胸の高まりが段々薄らいで来たのは、私だってそう。

でも。
以下略



26:名無しNIPPER[sage]
2016/05/05(木) 00:36:08.20 ID:1EMEuCfU0
ぶらぶらと駅前へ向かって歩いて行く。ハンドバックを振り回しながら。

いいもの発見。

一度は行って見たかったけれども、でもなかなか行く機会がなかったもの。
以下略



27:名無しNIPPER[sage]
2016/05/05(木) 00:36:52.18 ID:1EMEuCfU0
私の後から入って来た人を真似て、自販機でカードを買った。

そして、適当な台の前で座って、カードを入れる。

出て来た玉を、私は弾き始めた。
以下略



28:名無しNIPPER[sage]
2016/05/05(木) 00:37:41.27 ID:1EMEuCfU0
しばらくそうやっていると、中央のチューリップに入り、スロットの文字が回り始めた。

お、入った。

残念なことに数字は並ばなかったけれど、結構玉は増えたので、嬉しかった。
以下略



29:名無しNIPPER[sage]
2016/05/05(木) 00:38:38.02 ID:1EMEuCfU0
暇を潰せるとこ探して喫茶店に入った。

いつも二人で入るとこじゃなくて、別の喫茶店。

別に、特に意味なんかない。
以下略



30:名無しNIPPER[sage]
2016/05/05(木) 00:39:35.58 ID:1EMEuCfU0
悔しいけれど。

しばらく窓の外をぼうっと見ていた。カプチ−ノを片手に。

時間はゆっくりと流れて行く。
以下略



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