33: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/05/05(木) 22:32:20.52 ID:xJU0s9Q00
※
「わざわざ送ってくださってありがとうございます」
文香さんの店を後にして、プロデューサーさんと寮まで歩いていきます。
「まぁ、こんな時間に女の子を一人で歩かせられないからな」
顎をさすりながらプロデューサーさんは答えます。
夜風は涼しさと桜の花びらを運び私達の間を通り抜け、吹き抜けていきます。
「アイドルは楽しいか?」
突然、プロデューサーさんがそんなことを聞いて来たので少し驚きましたが、もちろんです! と答えます。
「一人前のアイドルには未だ程遠いですけど……」
私が憧れたアイドルの姿はお月さまのように眩しく輝いていますが……
「焦っちゃいけませんよね。大きな成果を、じっと待ちます」
その為には成功をイメージして一歩ずつ近付いていかなければ。
「歩み寄るのも大切なのかもな……」
プロデューサーさんが呟くように零します。
私が首を傾げますと、なんでもないとはぐらかされてしまいました。
「あんまり、根を詰めすぎないで下さいね」
「分かってるさ。明日も自主練するんだろ?」
ええ。と短く返事をします。
優しいプロデューサーさんの事ですから、きっと無理はしないようにと言いたいのかもしれません。
それでも敢えてその事を言わないのは、それもプロデューサーさんの優しさなのかもしれないですね。
明日も頑張らなくては。
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