過去ログ - 上条「幻想殺し無しでニューゲーム」
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3:名無しNIPPER
2016/05/11(水) 03:19:45.50 ID:6m9QFm03O
店の外に出て裏の近道を通ると、そこにはさっきの男の一人が倒れていた。何やらシャツが焦げているように見えたが、上条は少しだって足を止めなかった。
上条(うへぇ、まぁ悪いけどシカトさせてもらいますよ。上条さんは悪者に手を貸すほどお人好しでは……)
瞬間、道の奥で激しい閃光が炸裂し、乾いた音が鳴り響いた。
上条(……なんだ?)
呻くような悲鳴、それに続けてさらに二発、光と衝撃が辺り一面を覆う。
今夜の月は、やたらに大きかった。このビルの間からでもよく見えるほどに。その月明かりが二つの影を伸ばし、上条の足元をより黒く染めた。
影の持ち主を辿ると、一つは項垂れたように地面に這い蹲り、体から煙を立たせながらも何度も許しを請う姿。そしてもう一つは。
美琴「……あんたに許されなかった人の数だけ謝って、それから死になさい」
体から漏電している紫電が、まるで龍のように巻きついている少女。彼女が片手の平を広げると、バチバチと火花を散らしながら黒い砂の粒が集まり、それが剣のような形を創り出した。
不良「殺さないで……くれ。お願い……お願い、します」
既に男の声は蚊の鳴くように小さく、それでいて息は絶え絶えになっていた。それを聞いたのか、彼女は一瞬だけニコリと笑うと。
美琴「ダメ」
首から勢いよく噴き出した血飛沫は、彼女の顔を朱く濡らす。ただ黙ってその屍を見つめていた彼女が、ゆっくりと首を回しこちらを見た。
上条「……冗談だよな?」
今は一つの影の始まりは、閉じていた口を大横にきく広げた。満月の下の三日月には、狂気に満ちていた。
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