22:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/18(水) 20:12:10.57 ID:UMEp/1BY0
肇「才能、ですか……? お恥ずかしい話ですが私は非才の身、それは貴方も――」
P「先ほどの器の話ですね。あの時も言ったように、僕は陶器の専門家じゃありません。というより、むしろそこいらの人より審美眼に劣ると言っても過言じゃない。
茶碗なんて米がよそえて飯が食えたら陶器だろうがプラスチックだろうが気にしない。
23:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/18(水) 20:14:11.41 ID:UMEp/1BY0
P「『C-BLUE』というユニットは――モバプロ内でも多少特殊なグループです」
P「リーダーの水木聖來は、路上でダンスをしているところをスカウトしました。彼女はもっとダンスをしたい、もっと大きな舞台で、ダンスを通じて自分を表現したい、自分を魅せたい、そういう欲求があった。彼女との出会いが、僕のプロデューサーとしての方向性を決定付けたと言っても過言ではありません」
24:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/18(水) 20:15:44.68 ID:UMEp/1BY0
P「そしてもう一つ僕が懸念しているのは、この道に進むことで、貴女の陶芸家としての未来を潰すことになりやしないかということです」
P「先の面接でも言いましたが、いずれ陶芸の道を進むのであれば、寄り道せずに進んだ方が良いのではないかと――」
25:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/18(水) 20:17:56.10 ID:UMEp/1BY0
肇「アイドルになって、自分という器が何を表現できるのか……自分でも、まだ分かっていません。
自分という器に、何を入れられるのかも……でも」
肇「良い器は、どんなものをも、美しく引き立てます。
26:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/18(水) 20:19:09.81 ID:UMEp/1BY0
P「僕からも、質問です。先ほども説明したとおり、僕のユニットは多分、テレビだとかCDだとか、そういう派手な活動は控えめになります。もちろん、ステージの煌びやかさは他にひけを取らないものと自負していますが、貴女の憧れたアイドル像とは、少し趣が異なるかもしれません」
肇「――構いません。私の目的は、アイドルになる、というだけではありません。いえ、なかった、のです。ずっと、自分でも気付きませんでしたが。
私は私という器を表現したい。私すら理解し得なかった私を理解してくれた、貴方と一緒に」
27:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/18(水) 20:20:02.44 ID:UMEp/1BY0
◇
28:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/18(水) 20:22:05.20 ID:UMEp/1BY0
数ヶ月後
PM6:00 モバプロ内モバPマイルーム
肇「ただいま戻りました」
29:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/18(水) 20:23:32.24 ID:UMEp/1BY0
P「わんこー、わんこー、お仕事もう少しだよわんこー」モフモフモフモフ
わんこ「」
30:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/18(水) 20:25:57.11 ID:UMEp/1BY0
肇「これ、Pさんにお土産です」コトリ
P「湯飲み、ですか?」
31:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/18(水) 20:27:55.74 ID:UMEp/1BY0
肇「Pさん、この器は、貴方にはどう映りますか?」
32:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/18(水) 20:28:27.67 ID:UMEp/1BY0
糸冬
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