26:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 12:55:24.42 ID:cJnO2bq10
「ふたりでまた星を見ましょう。それから釣りもして、もちろん陶芸も」
「よくばりだな」
27:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 12:56:08.40 ID:cJnO2bq10
話し始めてどれくらいたったんだろう。
どこかに行っていた眠気がいつの間にかゆっくりとこっちに近づいてきて、瞼をほんの少しだけ重くする。
28:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 12:57:02.78 ID:cJnO2bq10
ぐだぐだと葛藤していると、光の糸が目の前をななめに走っていった。
そのあと、電話のむこうから「ながれ星だ」と聞こえてきて、違う場所にいても同じ空を見ているんだって、こんな当たり前のことを単純に嬉しいって感じる。
「また流れた」
29:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 12:57:50.19 ID:cJnO2bq10
「肇は星にどんなことを願ったんだ?」
「私ですか?」
30:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 12:58:42.13 ID:cJnO2bq10
「私は」
そう口にしたけど、次の言葉は呼吸と一緒にお腹の中に戻した。
31:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 12:59:30.05 ID:cJnO2bq10
私が祈りを捧げているのは、私が願いを込めるのは、神様でも、空にきらめく星でもなく、あなたです、なんて。
恥ずかしいからとかそういうのじゃなくて、なんとなく秘密にしておこうかな。
32:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 13:01:34.40 ID:cJnO2bq10
「そういえばさ」
「どうしました?」
33:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 13:03:14.88 ID:cJnO2bq10
「私たちが並ぶのも、遠い未来のお話でしょうか……」
私は、私はなにを言っているんだろう。
34:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 13:04:06.38 ID:cJnO2bq10
それって。
「六時間後、は難しいにしても、また明日会える」
35:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 13:04:53.80 ID:cJnO2bq10
「そろそろ眠くなってくるころか」
楽しいひとときはあっという間に過ぎて、突然時間を知らせる鐘が鳴る。
ふと時計を見ると、いつの間にか日が変わっていた。
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