過去ログ - 八幡「バック・トゥ・ザ・フューチャー?」
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1: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:34:07.59 ID:ZGeaKk6G0
――20XX年

 空を見上げたら太陽が2つあった――と言えば過去の人達は果たして信じたでしょうか。

 2つめの太陽ができるという予言じみた観測結果は、すでに数十年前に報告が出されていましたが、
 世間は半信半疑で、実際に見るまでは誰もがジョークだと考えていました。

 しかし、実際に太陽ができてしまった、つまり超新星爆発が起きてしまった後は大変な騒ぎでした。
 多くのテレビ局で連日特番が組まれました。

 それでも、しばらくすると空に太陽が2つあることは当たり前で、いまや面白いことではなくなってしまいました。
 そして気づけば、世間の関心はべつの話題へと移っていきました。

 皆さんはお気づきでしょうか。今朝方、人知れずに2つめの太陽の輝き――厳密には超新星爆発の光り――は失われていたのです。

 おそらく、皆さんは気にも留めないかもしれません。
 しかし科学の歴史は、今日という日を後々まで忘れることはないでしょう……。
 
 プツン――


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2: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:34:52.57 ID:ZGeaKk6G0

 とある夏休みの一日。何度寝かの後、ふと目が覚め、私は起き上がりました。

 長い髪をかき上げ、頭をぽりぽりとかいて時計を見ると、朝の11時。ちょうどいい時間です。

以下略



3: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:35:38.84 ID:ZGeaKk6G0
 なんて自分の未来に思いをはせながらブランチを謳歌していると、突如としてリビングの扉が開かれました。

 現れしは私のお父さんです。起床してからだいぶ経つというのに、まだ眠そうな、腐った目をしています。これでも全盛期よりは輝きを取り戻しているらしいのですが。

比企谷娘(以下娘)「おはよー」
以下略



4: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:36:32.00 ID:ZGeaKk6G0
八幡父「お、お父さんが荷物持ちするから」

娘「それだったらお父さんよりアマゾンで頼むし」

八幡父「はぅっ……」
以下略



5: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:37:10.41 ID:ZGeaKk6G0
娘「あ、そうなんですか? ならよかったらお父さんも――」

八幡父「いかねぇ」

娘「なんでそんな食い気味に」
以下略



6: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:37:41.62 ID:ZGeaKk6G0
ピンポンピンポーン

娘「はーい、今いきまーす」

八幡父「いいか娘よ、お父さんはいないことにしてくれ。あと玄関あたりで追い返す水際作戦を求む」
以下略



7: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:38:52.57 ID:ZGeaKk6G0
娘「それでそれで! 陽乃さん。今日はどんな発明したんですか!」

陽乃「ふふん。それは研究室にきてからのお楽しみということで」

娘「すっごい楽しみです!」
以下略



8: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:39:35.83 ID:ZGeaKk6G0
 陽乃さんが呆れたように言う。まぁ、ここまでが比企谷家でのあいさつみたいなものですし、陽乃さんの流しぐあいも慣れたものです。

陽乃「でもごめんね。キミも招待してあげたいんだけど、今日は娘ちゃんとの女子会だから、男の子は呼べないんだ」

八幡父「いや、その歳で女子とか――」
以下略



9: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:40:11.80 ID:ZGeaKk6G0
――雪ノ下グループ科学技術センター 研究室

陽乃「実は以前からアメリカの科学者と私的に共同研究をしていてね。その研究がついに実を結んだんだよ」

娘「へぇ。どんな研究してたんですか?」
以下略



10: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:42:34.85 ID:ZGeaKk6G0
陽乃「まぁ娘ちゃんに免じて許そう。実は昨年に起きた超新星爆発でのエネルギーを、うちの衛星を介して研究所に貯めておいたんだよ、私的に」

娘「私的に……」

陽乃「それで今日、タイムマシンが完成したから早速実験してみたの。その結果、成功したってわけ」
以下略



11: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:43:47.01 ID:ZGeaKk6G0
 陽乃さんは入り口付近にある奇妙な形をした車のもとへと歩いていきます。私もそれについていきました。

陽乃「ここにある車が、いわゆるタイムマシンになるんだ」

娘「この車なんですか。見た目はだいぶ古臭いですね」
以下略



12: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:45:28.24 ID:ZGeaKk6G0
陽乃「大丈夫大丈夫。では、とりあえず乗ってみよー」

娘「いやいやちょっと待ってください。これ安全性クリアしてるんですか?」

陽乃「んっ? 安全基準なんてあるわけないないじゃん? 国には黙って作ってるんだし」キョトン
以下略



13: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:46:54.98 ID:ZGeaKk6G0
陽乃「まったくもう。そうやって常識にとらわれていると時代においてかれるよ」

娘「いや、大事ですよ! 宇宙に行くのだって、犬の次はチンパンジーですよ」

陽乃「はいはい、分かったから乗った乗った」
以下略



14: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:48:17.01 ID:ZGeaKk6G0
――

娘「あいたた……」

陽乃(機械音)「あー、テステス。娘ちゃん、聞こえる?」
以下略



15: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:49:10.94 ID:ZGeaKk6G0
娘「ぽちっと……え、2015年1月29日……?」

陽乃「やった、成功! 今持っているタブレットはその時代のもので、回線も当時のものが使用されてるんだよ」

娘「うそ!? じゃあここは、29年前の世界なんですか!」
以下略



16: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:50:07.56 ID:ZGeaKk6G0
娘「まだ何も言ってないのに!」

陽乃「お金儲けに手は貸さないからね」

娘「……やだなぁ、ちょっと船橋まで散歩するだけですよ」
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17: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:51:13.66 ID:ZGeaKk6G0
陽乃「時間軸には修正力があるというのが大方の予想だけど、それも小さな干渉についてだからね」

陽乃「大規模だったり、イレギュラーな干渉をした際の変化については未知数なの」

娘「え、じゃあなんで私こっちに送られたんですか」
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18: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:52:20.32 ID:ZGeaKk6G0
陽乃「トランクの中にその時代の紙幣10万円分が入っているから、それを付属のポシェットに入れて、お店で好きなもの買っていいよ」

陽乃「たぶんそれぐらいあれば大抵のものが買えたはずだよ」

娘「あ、この時代で買うんですね。……うーん、でも昔の機械とか食べ物って、怖くて買いたくないなぁ」
以下略



19: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:53:20.83 ID:ZGeaKk6G0
 そう言われて、私は自分の服装に目をやる。
 陽乃さんに手伝ってもらって、未来での最先端ファッションを取りそろえた普通の服装です。
 色だってオレンジ一色ですし、モノトーンなんか使ってません。

陽乃「その時代だと、全身オレンジ色の服装は消防隊員とか海猿ぐらいなんだよ」
以下略



20: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:54:52.73 ID:ZGeaKk6G0
陽乃「とりあえずその恰好じゃ面倒だから、どこかで適当に服を買いにいこう」

娘「じゃあユニクロですね」

陽乃「なんで第一候補がそこなの……」
以下略



21: ◆7chPYS4ayA[sage saga]
2016/05/22(日) 21:55:40.35 ID:ZGeaKk6G0
娘「――あいたたっ」

男の子「だ、大丈夫でひゅか」

 突然のことで慌てているのか、男の子はあたふたしながら私から離れる。
以下略



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