過去ログ - 僕「神様はいつだって不公平なんだ」
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1:名無しNIPPER
2016/05/23(月) 23:41:06.63 ID:3R5vmMDZ0
とある病院で一人の男の子が生を受けました。名前は僕と言います。
しかし、僕君には他の赤ちゃんと明らかに異なる部分が幾つかありました。
生まれつき目がカエルのように飛び出し、口が鳥のように突き出して、人間離れした悍ましい容姿をしていたのです。
先天性の身体障害。神様が僕君に与えてくれた初めてのプレゼントでした。
僕君はその特筆すべき点を除けば、他の子どもたちと同じようにすくすくと元気よく成長しました。
ですが、幼稚園に入園する頃になりますと、僕君は他の子どもたちから気味悪がられ、異端者として扱われるようになります。
「ねーねー僕君!僕君の顔おかしくない?」
両親はこれまで僕君に障害のことなんて伝えていませんでしたから、僕君は当然不思議に思います。
そして
「僕の顔がおかしいってどういうこと?」
と、おかしな顔で、おかしな問いかけを投げかけるのです。
「僕君の顔はおかしいよ!みていて気持ち悪いよ!」
「私に近寄らないで!うつっちゃう!」
僕君は泣きながら言いました。
「なんでひどいこと言うの?僕がなにかしたの?」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/23(月) 23:43:33.02 ID:3R5vmMDZ0
結果、僕君は入園初日から、仲間はずれにされ孤立しました。
先生たちも内心気味悪がってあまり関わろうとはしません。
両親もそれは予想の内だったようで、僕君を半ば放置気味にしていました。
「今日もみんなと遊んでもらえなかったなあ」
3:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/23(月) 23:48:27.41 ID:3R5vmMDZ0
僕君は打ちひしがれました。
あぁ、僕は馬鹿にしたあの気持ち悪い野良犬と同じだったんだなと。
僕は馬鹿にする側なんじゃなくて、馬鹿にされる側なんじゃないかと。
蹲って涙を流している僕君に、両親は更に追い打ちをかけました。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/23(月) 23:51:42.91 ID:3R5vmMDZ0
「家出しちゃった……戻ったら怒られちゃう」
僕君はどうしたものかと考えておりますと、いつの間にか公園に着いていました。
「僕がよく遊んでる公園だ」
5:名無しNIPPER[sage saga]
2016/05/23(月) 23:57:17.94 ID:3R5vmMDZ0
僕君は以前、犬に働いた無礼を謝りました。
そして、長い沈黙が続きます。
10分ほどたった頃でしょうか、僕君が痺れを切らし、もう一度犬に話しかけようと思った矢先、
ぽつり、ぽつりと雨が降ってきました。
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