過去ログ - 【ガルパン】エリカ「大学落ちたのでバーを経営することになった」【安価】
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599: ◆5XLLhK8kNI[saga]
2016/06/11(土) 01:46:04.41 ID:3A+W8EvY0
「雨が降ってくることを予想してなかったのかしら?あの愛里寿でもそんなミスをするのね」

そう思わざるを得なかった。自分の考えた作戦通りに事が進みすぎている。あまりにも順調すぎる。

「エリカ、この後の作戦ですが」

「ケイさん、弾はまだありますよね?」

「なんとかね。でも動きまくる車内での装填は大変ね」

「ごめんなさいケイさん。でも、あと少しだけ……もう少しで終わりますから」

このまま各個撃破をすればいい。W号は先ほどのラムアタックで満足に逃げられる足ではないはず。

ならば、まずは愛里寿の乗るセンチュリオンを片付ければいい。そうすれば、車両の性能でもスキルでも圧倒できる。

「目標は島田流。戦車、進んで」

エリカの号令で再び動き出すE50。こんどは誘い出す為の動きではなく本気で仕留めに行くための動き。逃げるウサギを追いかけるような、そんな動き。



「早く……早く合流しなくちゃ……」

一対一はエリカにとってはこれとないチャンス。この機会を逃すはずがない。

しかし、動揺は冷静な判断能力を鈍らせる。逃げ切れる。合流はできる。そう思っていた。

しかし、愛里寿はE50の性能をしっかりと覚えていなかった。E50の積んでいるエンジンはティーガーUのエンジンをさらに上方に改良したもの。

その出力は中戦車には十分と言えるほどのものであり、速度はセンチュリオンははるかに凌駕していた。

雷鳴と共にセンチュリオンの正面に立つE50。雨に濡れながらも笑うエリカ。愛里寿はその姿に人生で体験のしたことのない恐怖を覚えずにはいられなかった。

「愛里寿ゥ!!」

絶叫にも似た声。そしてE50の無情にも思える砲撃。

「か、回避!」

そう、無理に撃ち合おうとしてはいけない。本能が教えるのだ。まともに戦ってはダメだと。

「あは、ははは、アーハッハッハッハ!!」

滝のような雨音の中でも耳に張り付いてくる笑い声。愛里寿の頭の中をよぎる敗北の文字。

「愛里寿ちゃん!!」

突然の砲撃。そして、E50の側面に強い衝撃が走った。

「っ!みほ!!」

W号の決死の突撃がE50を襲ったのだ。しかし、互いの車体の重量には大きな差があり、W号は突撃と共に車体がひしゃげ、そのまま白旗を出した。


しかし、その突撃は無駄ではなかった。この一瞬のスキを逃せば勝機は無い。

「弱点は車体の下部」

あればティーガーの系譜であるのであれば弱点はそこしかない。この一瞬を逃せば……

だが、センチュリオンからの砲撃は無かった。いや、できなかった。

「お姉様……!」

「うっ……くぅ……」

W号戦車の決死の体当たりの衝撃でエリカは車体の外に投げ出され、E50の車体の下部で倒れていたのだった。

見るからに足は曲がってはいけない方に曲がり、立ち上がることすらできない状態だった。

「……これじゃ撃てない」

戦車の砲撃は車長の指示によってできるもの。しかしこの状況ではお互いに射撃することができない状態になってしまった。

「どうしたの愛里寿……撃ちなさいよ……」

「でも……」

「こんなチャンスは二度とないわよ……無ければ…」

「でも!!」

「でも何なのよ!!早く撃って私をまた閉じ込めればいいでしょ!!!」



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