過去ログ - 楓「命短しススメよ乙女」
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51:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:40:28.93 ID:6D4QUdRpo
分かったような分からないような、いや、やっぱり分からない、と美波は思った。

美波「……あの、もう一つ質問よろしいでしょうか」

楓「はい?」
以下略



52:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:41:01.96 ID:6D4QUdRpo
楓はふと時計を見て、予定の時間を過ぎていることに気づいた。

楓「……というわけで面接は以上になります。合否は後日、メールにてお伝えしますね」

美波「……ありがとうございました」
以下略



53:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:41:55.67 ID:6D4QUdRpo
この日の面接は1件だけだったので、楓は報告書を宮本先輩に提出すると半休の申請をして午後はすぐに帰宅した。

家に着くと、蘭子は相変わらずテレビにかじりついていた。

楓「ただいまー」
以下略



54:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:42:57.69 ID:6D4QUdRpo
実際、食事をする必要はないのだが、だからと言って食べる機能が無いわけではない。

蘭子に自我が芽生え始め、意思を持つのがはっきりしてくると、楓たちは蘭子を放っておいて2人だけで食べるのが心苦しくなった。

基本的にドールは人間の真似をしたがるのだ。
以下略



55:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:47:24.01 ID:6D4QUdRpo
蘭子は食べ終わると「ごちそうさまでした」と言って皿を台所の流しに置いた。
こういう簡単な素行のよさは美優の影響が大きい。

蘭子「めいるしゅとろむ!」ぶしゃー

以下略



56:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:48:06.19 ID:6D4QUdRpo
蘭子「ふっふっふ、わがなはぶりゅんひるで! いまこそせかいをわがてに!」

楓「おお、女神様よ。なぜそのような邪悪なお姿に」

楓はエプロンを後ろに回してマントにした。即興にしては気が利いている。
以下略



57:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:48:57.80 ID:6D4QUdRpo

◇ ◇ ◇

美優が出張から帰って来た日の夜、蘭子が泣いた。

以下略



58:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:49:38.04 ID:6D4QUdRpo
楓「美優さん。美優さんはちょっと神経質すぎるんですよ。こんなの子供のちょっとした個性じゃないですか。むしろ個性を認めず、自分の理想通りに子供を矯正しようと思うほうが非道徳的なんじゃないですか?」

美優「な……!?」

楓「そもそも美優さんは蘭子と居る時、何をしてあげてたんですか? 大方、適当にニュースとか見せてほったらかしにしてたんでしょう。良い子にしてるからって、そんな退屈な時間を蘭子に過ごさせるのは可哀想だと思わないんですか」
以下略



59:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:50:14.50 ID:6D4QUdRpo
蘭子「なにごと……?」

隣の部屋にいた蘭子がこちらを覗いていた。
美優のすすり泣く声だけが痛々しく響いている。
楓はきまり悪そうに黙ったまま、目を逸らしてその場に突っ立っていた。
以下略



60:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:51:08.04 ID:6D4QUdRpo
楓「それは私のせいじゃないと思いますけど」

美優「私が居ないからって2人して楽しそうに遊んで! せめて私にもそういう名前を付けてくれててもよかったじゃない! なによ、"わが友"って!」

美優にそんなつもりは一切無かったが、この一言が良くなかった。
以下略



61:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:51:54.46 ID:6D4QUdRpo
蘭子がこんなに激しく感情を顕わにするのは初めてだった。
美優がよしよしと頭を撫でて抱きしめてやっても一向に泣き止む気配がない。
子供の泣き声というのは悲痛なものである。

一方楓は、蘭子の思わぬ豹変にすっかり面食らってしまいオロオロしながら部屋を行ったり来たりしていた。
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