過去ログ - 提督「荒潮がセックスと言うのだから、朝潮もセックスと言うのだ」
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2:名無しNIPPER[saga]
2016/06/06(月) 04:26:47.77 ID:iz0HsH6m0
「セックス」は「セックス」以上でも以下でもなく純粋に「セックス」だった。そして朝潮にとって、その水晶玉の如く透明で滑らかで捉えどころのない「セックス」は馴染みのないものだった。

朝潮は荒潮がどうしてそんな言葉を口にしたのか真意を確かめたい気持ちになったが、恐らく探りを入れても「セックス」と返ってくるだけだろうと確信した。

それにその「セックス」は朝潮にとって不可解な出来事であるのは事実であったが、未知に遭遇したときに感じる特有の畏怖の念を持つこともなかったので、朝潮は直接深く追究する衝動に駆られることもなかったのだ。

朝潮は一度置いたバターナイフを再び手に取り、トーストにピーナッツクリームを塗る作業を再開した。

それにしてもどうして「セックス」なのか。そもそも荒潮は朝食の席で姉に「セックス」など言う低俗な娘だっただろうか。「セックス」。荒潮の言葉。朝潮ははっとさせられた。朝潮は今「セックス」のことをはしたないと無意識自動的に判断したが、荒潮から放たれた言葉は果たして低俗なのだろうか。

「セックス」が低俗なのは私秘的な領域に他者が無遠慮にずかずか入り込んでくるからであって、現在の荒潮の言葉はそのような秘密を催促するような押しつけがましさは全く存在しない無力な「セックス」であった。


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