過去ログ - 提督「荒潮がセックスと言うのだから、朝潮もセックスと言うのだ」
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4:名無しNIPPER[saga]
2016/06/06(月) 04:29:34.04 ID:iz0HsH6m0
荒潮が精神的に圧殺され単純に物質として「セックス」と言うのだと思うと朝潮は少し哀しくもあった。

荒潮の「セックス」が朝潮の心を捉えたのは、生きている妹が死体も同然に「セックス」と言うことのその落差にあった。

しかし、朝潮にはどうすることもできない。いったい死体となり絶望的な断絶にある荒潮に対し外部から何をしろというのだ。今の朝潮にできることと言えば、荒潮の分までトーストにピーナッツクリームを塗りつけることだけである。

朝潮はピーナッツクリームを塗ることしかできない己の無力さを情けなく思った。ああ、荒潮はこのまま透明に「セックス」と言い続け、私はピーナッツクリームを塗るそれだけの人生か。

朝の陽光は爽やかに空の透明さを教えてくれる。机上のキキョウは星形の花びらを儚くも揺らし、机下の白猫は欠伸し背伸びしている。キジバトも再びホーホホッホホーと鳴き始めた。荒潮は「セックス」と言っているし、朝潮はピーナッツクリームを塗りたくる。静穏な朝食風景。

朝潮は冷蔵庫に瓶詰のイチゴジャムがあることを思い出す。今朝潮はピーナッツクリームを塗っているが、イチゴジャムを塗っていても良かったはずだ。朝潮にしても荒潮にしても特別好物でもないピーナッツクリームに拘泥する理由はなかった。


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