過去ログ - 漣「ちゃんと、素直にお話したかった」
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2:名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:26:10.42 ID:U19rEcSe0
「よし、今日もばっちしね」

 鏡の写る自分を確認する。今日一日提督――ご主人様の傍にいるとなれば、一片たりと
も妥協するつもりになれなかった。出来うる限りカワイイ自分を見てほしいという小さな
願いである。
以下略



3:名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:26:46.92 ID:U19rEcSe0
「……あ、漣ちゃん秘書なの?」
「ザッツライ、潮ちんもさっさと支度しなよー?」
「んー……頑張ってね漣ちゃん」

 ふぁい、おーと可愛らしく手を上げる潮に手を振って返し部屋を出る。秘書艦も朝食を食べて
以下略



4:名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:27:19.96 ID:U19rEcSe0
 食堂はまだ空席が目立っていた。ややくたびれた様子の駆逐艦娘たちは遠征帰りだろう。
と、その中に仏頂面で味噌汁をすする曙の姿を見つけた。たとえ彼女が不機嫌だろうと声を
かけるのに躊躇いは無い。

「へーぃぼのちゃーんおっはよー!」
以下略



5:名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:28:08.89 ID:U19rEcSe0
「相変わらず小食だねー、大丈夫?」
「はぁ……遠征帰りで眠いのよ……あんたは元気ね」

 といわれて目の前の自分の皿を見る。焼き鮭二切れに山盛りご飯に味噌汁、野菜も沢山。
まぁ普段よりも多めである。
以下略



6:名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:29:27.48 ID:U19rEcSe0
「さーていっちょやってやりますか」

 食堂で曙と別れ執務室の前に立つ。入室する前に手鏡で最後のチェックを済ませて、
一息ついて扉を叩く。いつもこの瞬間は息が詰まるような緊張感を覚える。

以下略



7:名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:30:24.17 ID:U19rEcSe0
「おはようございます、ご主人様っ!」
「はいお早う、今日もよろしくお願いするね」
「ふふん、この漣にお任せください。さて、今日は何から始めますか?」
「そうだね……あ、そうそう、先に言っておかないといけない事があるんだ」

以下略



8:名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:31:10.92 ID:U19rEcSe0
「あぁ、そう、これだ」 と言って一枚の書類を漣に手渡す。
「…………へ?」

 書類の題字には異動命令とある。脳みそが文字を認識するまでに暫らく時間がかかった。
余りにも受け入れがたい話である。
以下略



9:名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:31:53.39 ID:U19rEcSe0
「上の方からね、前線から引いて後方勤務に来ないかって誘われてね」 
困ったように頬をかきながら言う。漣はその声に釣られるように書類から顔を上げた。

「実家の親がね、もういい年なんだから嫁でももらってこっちで暮らせって言うのも
あってね、ちょうど良いタイミングだろうって事で受けることにしたんだ」
以下略



10:名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:34:37.51 ID:U19rEcSe0
 朧は一人廊下を歩いていた。漣を探すためである。

 漣が執務室から逃亡した時、偶々近くにいた朧が事情を聞き、探すことを請け負った。
面倒事だとは思うが、姉として見過ごす訳には行かなかった。幸いなことに心当たりはあった。



11:名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:35:08.91 ID:U19rEcSe0
「や」
「……」

 人気の無い資料室の隅っこの、棚と棚の隙間に漣は収まっていた。7駆でケンカした時も
漣はここにいた。人気がなくて狭いのがお気に入りなのだろう。体育座りをして顔を伏せて
以下略



12:名無しNIPPER
2016/06/06(月) 13:36:39.69 ID:U19rEcSe0
「クッキー、朝だから焼きたてだったよ、まだ温かい」
「ん……」
「お、やっぱ焼きたては美味しいね、うん」

 もそもそと二人で菓子をほお張り、お茶で流し込む。胃からじんわりと熱が広がり、
以下略



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