過去ログ - 佐久間まゆ「運命、感じちゃいました♪」
1- 20
1: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/15(水) 20:15:43.17 ID:EtZDPatb0
===

 男にとって、二人が出会ったのは偶然だった。
 
 季節は梅雨入りしたばかりの六月。

 その日も相変わらずの雨であり、仕事のために訪れていたスタジオで、
 階段を上がる途中、目の前で足を滑らせた少女を受け止めたのが彼だった。
 
 向かいあい、抱きとめる形で床まで一直線。
 
 浮遊感の中、来たるべき衝撃から守るよう、少女を抱いた腕に力をこめる。
 続いて廊下に、派手な音が鳴り響いた。

SSWiki : ss.vip2ch.com



2: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/15(水) 20:19:03.18 ID:EtZDPatb0
 
「……だ、大丈夫?」

 痛みに耐えながら声をかけ、閉じていた瞳を開けた瞬間に重なる視線。
 
以下略



3: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/15(水) 20:21:12.19 ID:EtZDPatb0
 
「そっか。なら、良かった」

 まだ床に座ったままの少女に手を差し伸べながら、男はほっとしたようにため息をついた。

以下略



4: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/15(水) 20:25:31.63 ID:EtZDPatb0
===

 少女――佐久間まゆにとって、この二人の出会いは運命的なものだった。
 
 読者モデルとして活動していたまゆが、撮影のために訪れたスタジオ。
以下略



5: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/15(水) 20:26:48.24 ID:EtZDPatb0
 
「――ん? どうかしたかい?」

 自分の顔を見つめて動きを止めたまゆに対して、男が不思議そうな顔をして尋ねる。
 
以下略



6: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/15(水) 20:28:10.51 ID:EtZDPatb0
===

「なるほどぉ……いつもこんな風にして、プロデューサーさんは女の子に声をかけていたんですねぇ〜」

 声のした方へ振り返ると、立っていたのは一人の少女。
以下略



7: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/15(水) 20:31:03.09 ID:EtZDPatb0

「あのな、仕事柄スカウトだってしてるんだ。俺が女の子と話すのに慣れてたって、別に不思議じゃあないだろう?」

「それでも、いやに手馴れてるじゃあないですか〜。だからこれはぁ、もしかしてってぇ」

以下略



8: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/15(水) 20:33:09.55 ID:EtZDPatb0
 
「お前な、そういうことを言うのは止めろって言ってるの!」

 そんな日菜子の言動に、男が顔の前で拳を握って叱りつけるフリをすると、
 彼女は「きゃあ! 冗談ですよぉ〜」なんて、まんざらでもなさそうに言い返した。
以下略



9: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/15(水) 20:41:38.86 ID:EtZDPatb0

 お礼を言って、再び階段を上りながらまゆは自分に言い聞かす。
 
 今は……今はこれでいい。
 
以下略



10:名無しNIPPER[sage]
2016/06/15(水) 20:45:16.52 ID:aIOgvx8To
なんてことしてくれたんだ日菜子ォ・・・


17Res/8.59 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice