過去ログ - 【モバマスSS】時には、プリンの話を
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15: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/20(月) 22:36:53.99 ID:aLv2JTSx0
 
 とはいえ、それ自体はまゆと同室になってからというもの、すっか見慣れた朝の風景と言えるものだった。
 
 実を言えばこのまゆという少女、事務所に来てからほぼ毎日、
 朝早くから台所に立っては担当のプロデューサーの為に愛妻弁当ならぬアイドル弁当を作っているのである。
以下略



16: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/20(月) 22:37:58.81 ID:aLv2JTSx0

「はやる気持ちを抑えられなくて、手近な人に味見をしてもらいたくなっちゃったんです」とはまゆの弁だが、このような体験
 ――要するに、寝ている最中に口の中へ異物を入れられて起こされる体験だ――を蘭子が経験するのは、これで三度目。


以下略



17: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/20(月) 22:41:44.63 ID:aLv2JTSx0
 
「ほ、本質は其処で無い! 深紅の絆を見る者よ、我に二度も悠久の花園を見せようと言うのか!?」
(も、問題はそこじゃありません! まゆさんは、二回も私にお花畑を見せるつもりなんですか!?)

 そう、蘭子が顔を真っ赤にして言うように、前回の煮物は特に酷かった。
以下略



18: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/20(月) 22:43:53.99 ID:aLv2JTSx0
 
「ねぇ、どうです? 美味しかった? それともイマイチ? 
 私としてはちょっと酸っぱくなりすぎたかなって思ったけれど、その方が味が誤魔化せ――隠し味が、引き立つかなって」

 両手を合わせ、うっとりとした表情で語るまゆ。
以下略



19: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/20(月) 22:45:08.29 ID:aLv2JTSx0

「……どうしました、蘭子ちゃん。顔色が悪いですよぉ?」

 咄嗟にうつむき、強く口を噛みしめることでその感覚をやり過ごした蘭子だったが、
 そんな自分のことを心配そうに覗き込む、まゆの顔と視線が合った。
以下略



20: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/20(月) 22:47:23.67 ID:aLv2JTSx0
 
 きっと、恐らく、いや、多分。いくら彼女が「変わってる」とはいえ、
 先ほど自分の脳裏に浮かんだイメージのようなことは、いくらなんでもしてないハズだ。
 
 ……と、言うよりも、するハズがないだろうと笑顔で否定して貰いたかった。
以下略



21: ◆Xz5sQ/W/66[sage]
2016/06/20(月) 22:48:24.15 ID:aLv2JTSx0
蘭子語辞典が欲しいと思う今日この頃。ここまで。


22:名無しNIPPER[sage]
2016/06/21(火) 12:00:03.34 ID:+9gRnghD0
otu



23: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/22(水) 20:31:23.99 ID:o4RrAbdp0
===

 大きくあけ放たれた窓からそよそよと風が吹き込むと、レースのカーテンが柔らかな日差しを纏ってゆらゆら揺れて。
 小鳥たちの楽し気なさえずりに混じって、遠くからセミの鳴き声も聞こえて来る。
 
以下略



24: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/22(水) 20:32:47.45 ID:o4RrAbdp0
 
「えっと、業者さんから貰った見積もりの金額がこれで……それから、新しく来る子の部屋割りも……あっ」

 気がつけば報告用の枠内はみっちりと文字で埋め尽くされ、それでもなお書き記さねばならぬ問題は山積みで。
 
以下略



25: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/06/22(水) 20:33:51.47 ID:o4RrAbdp0
 
『後任が決まるまでの僅かな間、代理として皆をまとめてくれるだけでいい! 頼りになるのは君だけなんだ!』

 そう言って事務所の社長に泣きながら頭を下げられた時は、驚きの余りつい引き受けてしまったが……
 あれからというもの、一向に後任がやって来る気配も無く、なし崩し的に美波が、管理人としての業務を行う始末。
以下略



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