25: ◆JgoilToZJY[saga]
2016/06/20(月) 06:26:11.11 ID:9fy5FiS10
「京ちゃんは死んだの!? 死んでないでしょ!! じゃあ、京ちゃんのいない世界にはならないでしょ!!!」
「……でもでもでも! 二度と会えないかもしれないんだじぇ!!?」
「うるさい!! 会える!!」
「なっ――…」
「会えるもん!!」
「さ、咲ちゃー―…」
「なのに京ちゃんに迷惑かけて……村のみんなに迷惑かけて……そんなんじゃ駄目だよ優希ちゃん!!
京ちゃんがどれだけ頑張ってたか、知ってるでしょ? この数年、どれだけ必死で勉強してたか。
あの子が置いてった本だけじゃ足りないから、徒歩で数日かかる町まで通って、勉強して……みたいな。
その努力が、実って、これからなんだよ? 京ちゃんがやりたいことは、これからなんだよ?
それを自分の卑しい欲求だけでさ、邪魔して、この場所に縛り付けて、何が面白いの? 想像力が足りないんだよ。
京ちゃんを不幸にして面白いの? 京ちゃんを虐めて、満足? 傷付いた京ちゃんを隣に置いて、果たして自分は幸せになれるって本当に考えられる?
どうして自分が努力して、って方向に行かないの? おかしいでしょ! 気持ち悪いよ! そういうの。私、虫唾が走る。
京ちゃんを堕落させてって方向に行くのはね、程度が知れるって言うんだよ!!
はい! 京ちゃんの隣に立つべきが誰なのか、わかる結果になったね!!!
泣いてないでさあ!! 謝ってよ!!!! 京ちゃんに謝って!!!!!!!!」
「うっ、うっ……」
「謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ……!」
私も、抑え込んでいた感情が爆発してしまったようだ。
頭がうまく回らない。
こんな事言ってどうするんだろう。八つ当たりに近い。京ちゃん、ドン引きしてるだろうし。もう顔見れないよ……
でも、怒りは収まらなかった。
「謝る……謝るじょ……でも、ひぐっ……私も、文句言える立場じゃ、ないけど……咲ちゃんに、言いたい……」
「……はぁ。なに?」
「京太郎を、ひとり占めしないでほしいじぇ……」
「何が言いたいの?」
優希ちゃんは、顔を上げた。
充血した目が、私を睨んだ。
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