6: ◆JgoilToZJY[saga]
2016/06/20(月) 06:03:12.37 ID:9fy5FiS10
「お待たせ」
「おはよ、咲」
「おはよう、京ちゃん」
まだ、外は薄暗い。
この時間は、普段、村の皆はまだ寝ている。
そして私と京ちゃんは、今日だけは、はやく起きている。
「眠い?」
「ううん。私は大丈夫……京ちゃんは?」
「緊張で眠れなかったな、あまり。てか咲、寝癖はねてるぞ」
「えっ!? 嘘!」
両手で頭を押さえる。ちゃんと直した筈なのに。
京ちゃんは含み笑いをしながら、傍に落ちてた木の枝を拾うと、地面に記号を描き始めた。
これは……
「ほら、前髪が∠こんな形になってる」
「こ、これは寝癖じゃない! チャームポイントなの!」
京ちゃんは笑っている。全く、なんだというのか。
「悪い悪い。じゃ、ちょっと場所変えようぜ。とっととやんねーと、今日は早いから」
「……うん」
"練習"は、いつも森に入ってすぐの少し開けた空間で行っていた。
私と京ちゃんの二人で、大体一週間も前くらいから。
今日の本番のための、練習。
きっと、これが最後の。
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