過去ログ - 高垣楓「二分二十秒の気持ち」
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8: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:09:42.26 ID:9gikU85z0
 楓「ねえ、プロデューサーさん?」

 白く長い指を絡ませて、ものをねだるような表情を浮かべて、楓がプロデューサーの顔を覗き込む。


以下略



9: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:11:30.18 ID:9gikU85z0
 プロデューサーは一度なるほど、と頷いて、


 P「いいですね、どこに食べに行きます?」

以下略



10: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:13:02.17 ID:9gikU85z0
 楓「夕ご飯なら、もう買ってあるじゃないですか」

 P「え、ああ……そういうことですか」


以下略



11: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:14:42.23 ID:9gikU85z0
 P「夕飯というよりは間食と呼んだ方がしっくりくるメニューですが……」

 楓「じゃあ間食を完食しちゃいましょう!」

 P「……あなたは、まがいなりにもアイドルなんですが」
以下略



12: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:20:57.15 ID:9gikU85z0
 やがて根負けしたように、プロデューサーが苦笑した。


 P「楓さんがそう言うなら、一緒に食べますか」

以下略



13: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:23:45.22 ID:9gikU85z0
 P「じゃあ、キリのいいところまで仕事進めちゃいます」

 楓「なら私は二人分のお湯沸かしてきますね」

 P「お願いします」
以下略



14: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:25:53.18 ID:9gikU85z0
 たっぷりの水が沸騰したことを確認してコンロの火を消し止め、楓は事務所に戻った。

 ちょうど仕事に区切りをつけたらしいプロデューサーが、戸棚からカップ焼きそばを取り出すところだった。


以下略



15: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:27:10.74 ID:9gikU85z0
 P「カップ焼きそば、なにを買ったか、でしたよね」

 一頻り笑い終えた後で、プロデューサーが口を開く。

 たったの、一言。
以下略



16: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:27:46.10 ID:9gikU85z0
 ただそれだけの、なんでもない言葉。

 しかしその言葉が、これから始まろうとしている騒動の契機になった。


17: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:29:05.22 ID:9gikU85z0
 プロデューサーのその言葉を受けて、楓の表情に、微かに陰が差したことに、プロデューサーは気付かなかった。

 そして楓自身、なぜ自分その言葉から不穏な気配を嗅ぎ取ったのかがわからないままでいた。


以下略



18: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/06/25(土) 22:30:11.38 ID:9gikU85z0
 楓は僅かに一歩、後ずさる。

 なんら警戒することなど、ないというのに。

 先ほどから彼女の勘が、警鐘を鳴らし続けている。
以下略



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