1: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 22:55:45.15 ID:3M5gfQWJ0
モバマスss
地の文有り
書き溜め有り
生温かい目で見てやってください
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 22:56:19.79 ID:3M5gfQWJ0
最近はどうも忙しくて、睡眠時間が不足しているからか、日中から瞼が重くて仕方がない。
それは裏を返せば、うちのアイドル達の人気があることに他ならないので、いいことなんだけど。
3: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 22:57:31.44 ID:3M5gfQWJ0
飛鳥「梨沙のプロデューサーさん、いま、少しいいかい?」
あくびを噛み殺しながらデスクワークをこなしていると、珍しくも彼女の方から話しかけてきた。
P「飛鳥か。おう、どうした」
4: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 22:58:55.06 ID:3M5gfQWJ0
梨沙は見た目の割に人見知りをする方で、誰とでも砕けた話ができる娘じゃない。
そんな中で飛鳥という娘とは、気が合ったのだろう、顔を合わせてからすぐに自然体でいられるようになったと思う。
ユニットを組ませてみると、これがまた個性と個性の喧嘩のような、忙しいライブが出来上がる。
5: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 23:00:55.60 ID:3M5gfQWJ0
P「プレゼント?」
耳に慣れなさ過ぎて、聞き返してしまう。
飛鳥「男性が異性から貰って嬉しいものって、例えばなにがあるだろう?」
6: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 23:02:26.97 ID:3M5gfQWJ0
P「なんでもいいんじゃないか」
彼女が怪訝そうな表情を浮かべた。
飛鳥「なんでも?」
7: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 23:03:21.14 ID:3M5gfQWJ0
P「で、誰に贈るつもりなんだ? 家族か? 友達か?」
何の気なしに尋ねると、彼女に浅くため息を吐かれた。
飛鳥「だから、贈るのはボクじゃないって言ってるのに」
8: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 23:05:41.46 ID:3M5gfQWJ0
飛鳥「実を言えば、梨沙から同じ相談をされてね。こと贈り物に関しては有用な知識を持ち合わせていなかったから、相談しに来たというわけさ」
P「へえ、あいつがプレゼントを」
当の本人はダンスレッスンの真っ最中で、いまごろスタジオでへばっているころだと思う。
9: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 23:07:03.68 ID:3M5gfQWJ0
P「相手が親父さんだとしたら、趣味に限らなくても、仕事でよく使うものとか、日用品とかでもいいんじゃないか?」
飛鳥「と、いうと?」
P「ネクタイとかハンカチとか。そういうのでも喜ぶんじゃないかってこと」
10: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 23:08:13.19 ID:3M5gfQWJ0
飛鳥「たとえば、さ」
エナドリの空き瓶を捨てる為にゴミ箱に向かう途中で、声がかかる。
P「うん?」
11: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 23:09:34.17 ID:3M5gfQWJ0
飛鳥「そういうプレゼントって、プロデューサーや……ボクのプロデューサーが貰っても、嬉しかったりするのかい?」
12: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 23:10:59.75 ID:3M5gfQWJ0
思わず振り返ると、どこか緊張したように彼女がこちらを見ている。
飛鳥「……あくまで好奇心から、尋ねているんだけど」
13: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 23:12:06.74 ID:3M5gfQWJ0
思わず彼女が笑みをこぼした。
飛鳥「それは言いすぎじゃないのかい?」
P「さあてね、どうだか」
14: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 23:13:07.29 ID:3M5gfQWJ0
それから、再び自分のデスクについて、仕事を始める。
飛鳥「……ありがとう」
15: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 23:14:18.98 ID:3M5gfQWJ0
携帯を取り出して、メッセージアプリを起動する。
飛鳥のプロデューサーとのメッセージ欄に、「貸し一つな」とだけ入力して、
16: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 23:16:20.25 ID:3M5gfQWJ0
「贈ることに意味があるから、プレゼントはなんでもいいって、彼はそう言っていたよ」
「うーん……なんでもいいっていうのはアイツの言いそうなことだけど、結局ヒントはなにもないのよね」
「趣味に限らなくても、仕事でよく利用するものや、日用的に使うものでもいいって」
17: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 23:18:01.43 ID:3M5gfQWJ0
二人のユニットの次のライブを企画して、会場の規模をおさえて、動員数や具体的なライブの流れを練って……
相変わらず忙しい日々は続いていた。死ぬほど充実はしている。
18: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 23:18:49.07 ID:3M5gfQWJ0
P「ここからだとお前の家の方が近いんだぞ? 直帰してもいいのに、なんでまた事務所に戻るなんて言うんだ?」
梨沙「忘れ物をしてるのよ」
すげない返事。
19: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 23:20:43.20 ID:3M5gfQWJ0
事務所に着くと、彼女は更衣ロッカーに向かった。
今日は、彼女が忘れ物とやらを回収したあとに家まで送ってやって、俺も直帰だ。
ようやく一息つけるぐらいには仕事も落ち着いてきたし、少なくとも今日はゆっくり眠れる。
20: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 23:21:42.41 ID:3M5gfQWJ0
開いた扉から、大きな袋を抱きかかえた彼女が現れた。
21: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/07/01(金) 23:23:08.59 ID:3M5gfQWJ0
P「忘れ物って、それか?」
目を丸くしながら尋ねると、彼女はこくんと頷く。
梨沙「はい、これ」
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