過去ログ - 吹雪「はやく辞めてくださいよ司令官」 提督「吹雪さんこそ」
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39: ◆36ujqGfUl2[saga]
2016/07/05(火) 14:46:54.06 ID:WUg/S8Lr0
 俗に、艦娘は艦娘を好むという。この話は故無きものではない。
 彼女らが戦闘のために設計された、人造生命体であることに由来する現象だ。
 艦娘は、同じ艦娘が受信可能な味方識別信号を発している。それを同じ艦娘が受信することで好意を抱く、という仕組みである。
 この発信は意識しているものではなく艦娘が生きている限り発せられている。また、電波や電磁波などの形で計測できるものでもない。
 この信号によって艦娘は互いに仲間意識を育みやすくなり、人間同士で起こる感情的なトラブルは減っている(もちろん同時刻の食堂で起こったケースのように、皆無とはならない)。
 また、戦闘時も艦娘同士が互いの位置を常に把握することができ、これによって高度な連携を行えるのだ。

「我々艦娘の中でも、吹雪の信号受信能力は飛びぬけている。普通は300メートル程度が限界で、訓練を重ねても2kmも行けば天才と言われる。間に障害物が無い状態の話で、だ。
 だが、吹雪は建造間もなくの性能試験で、半径3km内の都市部に配置された艦娘たちを、誤差1メートル以内でリアルタイムで感知し続け、その上で個人識別までしてのけた……」
「はい。その代償、というわけでもありませんが、吹雪さんは艦娘に対して強い好意を寄せるようになった」
「信号パターンを受信し慣れていない、新任やよその艦娘には、特にな。そういえば先日入ってきたあの二人は大丈夫か」
「大丈夫か、とは。吹雪さんがあの二人に何かをするということですか」
「私の記憶がさび付いたのでなければ、されなかった艦娘はいなかったはずだな」

 那智は少し遠い目になる。吹雪の『歓迎』を受けた艦娘の後始末をするのは彼女の役目だったのだ。


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