11:名無しNIPPER[saga]
2016/07/04(月) 00:25:23.39 ID:BFmKl9Djo
咎めはするものの、彼に喫煙癖があろうと飲酒癖があろうと本心ではどうでもいいし、
彼の肺が何色をしていようとわたしの肺とは関係ない。
むしろ彼が煙草に火をつけて、その煙をたっぷりと吸い込んで、
やがて吐き出すときのその表情を見ると、安心にさえ似た気持ちを覚える。
どうしてなのだろう?
……分からない。
「それにしても、その金、さっそく手をつけたわけか」
サボり仲間同士の気安さからか、あるいは屋上という空間が妙にそういう気持ちにさせるのか、
わたしはケイくんに、わたしについてのいろいろなことを話していたし、ケイくんもけっこう、自分の話をしてくれていた。
少なくとも、クラスの友達よりも彼の方が、わたしの家庭事情について詳しいことを知っているだろう。
もちろん、それがすなわち絆の強さや信頼の重さをあらわすわけではない。
なにもかも包み隠さずに話し合うから良い友だちだなんて、幼稚園児の発想だ。
友だちだからこそ言いたくないことだってたくさんある。
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