13:名無しNIPPER[saga]
2016/07/04(月) 00:27:51.19 ID:BFmKl9Djo
「……だけど?」
言葉に詰まったわたしを見て、ケイくんは続きを促したけど、わたしは何も言わずに、かわりに景色を眺めた。
放課後の屋上から見える街並。
今日は朝からよく晴れていて、夕陽はずいぶんと綺麗に街を照らしていた。
こんなに良い天気なのに、肌を撫でる空気は秋のつめたさ。
それはある意味で幻想的と言えなくもない光景だった。
なんだか、現実味がない、嘘くさい、加工した風景写真みたいな、つくりものめいた美しさ。
そう感じてしまうのはきっと自分のせいなのだろう。
「……なんだか、億劫だな」
わたしのそんな言葉に、ケイくんは新しく煙草をくわえながら反応した。
「なにが?」
「……生きてるのが?」
は、とケイくんはまた笑った。
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