過去ログ - 開かない扉の前で
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791:名無しNIPPER[saga]
2017/10/24(火) 00:36:28.42 ID:IXxsBwaSo



 あたりまえのように朝が来て、まひるは制服に袖を通した姿で、わたしたちの為に朝食を用意してくれた。

 彼女が淹れてくれたコーヒーを飲みながら、わたしとケイくんは静かに朝のニュースを眺める。

 わたしたちは、この世界に着たときに着ていた服を着て、昨日の出来事についての報道を見ていた。
 たいしたことは言ってくれなかった。

 ケイくんは何か言いたげな、けれど何か言いあぐねるような顔をしていた。
 でもわたしは何も訊かなかった。

 たいした会話もしないまま、まひるが出かける時間になった。

 彼女が鍵を閉めるので、わたしたちも一緒に部屋を出ることにした。

 それじゃあね、とまひるは言った。

 それじゃあ、とわたしも言った。

 元気でね、と彼女は言った。

 まひるも、とわたしは言う。

 それで本当にお別れだった。

 外ではまだ霧雨が降り続いていて、まだ夢の中にいるような気がした。




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