791:名無しNIPPER[saga]
2017/10/24(火) 00:36:28.42 ID:IXxsBwaSo
◇
あたりまえのように朝が来て、まひるは制服に袖を通した姿で、わたしたちの為に朝食を用意してくれた。
彼女が淹れてくれたコーヒーを飲みながら、わたしとケイくんは静かに朝のニュースを眺める。
わたしたちは、この世界に着たときに着ていた服を着て、昨日の出来事についての報道を見ていた。
たいしたことは言ってくれなかった。
ケイくんは何か言いたげな、けれど何か言いあぐねるような顔をしていた。
でもわたしは何も訊かなかった。
たいした会話もしないまま、まひるが出かける時間になった。
彼女が鍵を閉めるので、わたしたちも一緒に部屋を出ることにした。
それじゃあね、とまひるは言った。
それじゃあ、とわたしも言った。
元気でね、と彼女は言った。
まひるも、とわたしは言う。
それで本当にお別れだった。
外ではまだ霧雨が降り続いていて、まだ夢の中にいるような気がした。
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