830:名無しNIPPER[saga]
2017/11/03(金) 00:18:44.68 ID:lNpLKx20o
◇
「この先なのか?」
ケイくんは、わたしの顔を見て、そう訊ねてきた。
わたしたちは、扉の向こうの暗い階段を見下ろしている。
「行こうぜ」とケイくんは言う。
彼はわたしの方を見ずに、さっさと歩きはじめてしまう。まるで怖いものなんてなんにもないみたいだ。
「待って」
と言いながら、わたしは彼の後ろを追う。
一段一段とくだるたびに、暗闇がその濃さを増していくようだった。
呼吸さえもおぼつかなくなるような、濃厚な黒だ。
息が詰まるような。
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