過去ログ - 開かない扉の前で
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836:名無しNIPPER[saga]
2017/11/03(金) 00:23:13.29 ID:lNpLKx20o

「……違うよ、ケイくん、わたしは」

「だったら、なんだっていうんだ。言ってみろよ。なあ、どうせ俺のことなんて、寂しいときに近くにいてくれるだけの相手だって思ってるんだろ」

「違う」

「だから、だったらなんなんだよ」

 わたしは。
 でも、ケイくん、わたしは。

 想像できないんだ。

 誰かとずっと一緒にいるってことが、どういうことなのか。
 誰かがわたしと、ずっと一緒にいてくれるなんて、そんなことがありえるのかってことが。
 そんなの、都合の良い妄想にしか思えない。

 誰も、わたしのことなんて見てくれない。
 好きになってくれない。見放されていく。いつか、去っていく。

 そう思っていた方が――わたしが安心できる。

 重荷。頭のなかで、その言葉を繰り返した。

 わたしは、彼の服の裾から、そっと手を離した。

「……ごめんね」

「……ああ」





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