過去ログ - 開かない扉の前で
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850:名無しNIPPER[saga]
2017/11/04(土) 23:57:01.99 ID:rBhi7b25o

「真っ暗闇の中にいたら、そりゃ、分からないか。でも、きっとおまえはずっとここにいたんだろうな」

「……どういう意味?」

「なんで、叔父さんのことをおまえが知りたがったのか、ずっと不思議だったんだ。
 叔父さんはきっと、おまえのことを愛してたし、大事にしてたって、俺は思う。
 でも、おまえは不安だった。疑ってた。単純に自信がないって話じゃなさそうだ。なんでかなって、ずっと思ってた。
 叔父さんと話して、なんとなく、なんとなくだけど……分かった」

「……」

「あの人は、言葉や態度にできなくて、だから、ものやかたちでしか表せない人だったんだと思う」

「……ケイくん?」

「はっきり言うべきだったんだ。それが支えになるって、あの人だって知らないわけじゃなかっただろうから。
 それとも、たしかに言っていて、でも、少なすぎただけなのかもしれないけど……」

 まあ、人のことはいいか、と、ケイくんは頭を振った。
 何かをごまかそうとするみたいに、彼は饒舌だ。

「おまえが、俺に言ったんだ。"声に出さないとわかりません"ってさ。
 たぶん、それが全部なんだ。それで全部なんだよ」

「……何の話?」





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