過去ログ - 開かない扉の前で
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851:名無しNIPPER[saga]
2017/11/04(土) 23:57:46.19 ID:rBhi7b25o

「そうだな。どう言えばいいんだろうな」

「……うん」

「つまり……なんて言ったらいいかな。
 俺は、そうだな……。おまえに居てほしくて、おまえから目を離したくなくて……違うな。
 なんて言えばいいんだろうな」

「……ケイくん?」

「ちょっと待て、今考えてるから。おまえが落ち込んでると落ち着かなくて、泣いてるのを見るとどうにかしたくなって。
 それで……違う。こんなんじゃダメだな」

「……あ、あの、ケイくん?」

「なんだよ。ちょっと待てって。なんだろうな、いったい」

「けっこう、すごいこと、言ってるけど……」

「つまりさ」と、わたしの声なんて無視するみたいな勢いで、彼はこちらを振り返って、まっすぐにこちらを見た。

「俺はおまえのことが好きで、おまえがいなきゃ困るんだ。なあ、言ってること分かるか?」

 彼の表情は、ライターの灯りに照らされて、その光は、繋いだままの彼とわたしの手さえも明るみにさらした。
 
 頬、に、ほんの少し、赤みがさしている、ように見えた。

 わたしは、突然、顔が熱くなるのを感じた。




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