857:名無しNIPPER[saga]
2017/11/05(日) 00:01:41.02 ID:5szBys0go
ところが、約束は思わぬところで破られる。
ラプンツェルは、うっかり口を滑らせて、魔女に王子の存在をほのめかしてしまうのだ。
ラプンツェルを閉じ込めているつもりだった魔女は、この事実を知って怒り狂い、彼女の長い髪を切り落として、誰もいない砂漠に追放してしまう。
その日の夕、何も知らずに塔を訪れた王子は、いつものようにラプンツェルに髪を下ろすように頼む。
魔女は、ラプンツェルの長い髪を窓から垂らす。
そして、塔の中へとあらわれた王子に、こう言うのだ。
――あの綺麗な鳥は、もう巣の中で、歌っては居ない。
王子は、ラプンツェルを失った悲しみから前後不覚になり、塔の上から身を投げ出した。
なんとか命はとりとめたものの、茨に刺されて目を潰し、"盲"いてしまった。
彼は体を引きずって、木の実や草を食べて、ラプンツェルを思いながらさまよった。
そして数年ののち、悲嘆の旅路のは手に、王子は彼女が棄てられた砂漠へとたどり着く。
彼女は、二人の子供を産んで、そこで暮らしていた。
ラプンツェルは、王子の姿を認めると、首へ抱きついて涙を流した。
その涙が王子の目に入ると、盲目だった彼の目は、ふたたび"光"を取り戻す。
王子はラプンツェルを国に連れ帰り、ふたりは国中に歓迎され、幸福に暮らす。
けれど、魔女がその後どうなったのか、知るものは誰一人いない。
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