903:名無しNIPPER[saga]
2017/11/21(火) 01:00:50.00 ID:ogkZSEtjo
◇
霧雨に煙る街を僕は歩いた。
場所も姿も僕の知っているままの高いビルを見上げて、僕はひどく落ち込んだ気分になる。
僕は、こんなところに昇りたくなんてない。
そう思った。それなのに、足は止まらない。
このまま外にいたって、どうせずぶ濡れになっていくだけだ。
他に行くべき場所も戻るべき場所もない。選べる道なんて他にはなかったのだ。
(――本当に?)
そんな声が聴こえた気がしたけれど、それは錯覚だと自分でもわかっている。
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