過去ログ - 開かない扉の前で
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906:名無しNIPPER[saga]
2017/11/21(火) 01:04:04.26 ID:ogkZSEtjo


「――あなたを止める。絶対に。それがわたしの責任だと思うから」

 ――不意に聴こえたその声に、眩暈がしそうになった。

 僕は、けれど急がなかった。
 通路をゆっくりと歩いていく。不思議なくらい寒々しい空気があたりを満たしている。

 やがて階段が見えてきた。 
 向こうに大きな窓が開けている。

 その前に、ふたりの少女が立っている。

 片方はこちらに背を向けて、もう片方は、その子を挟んでこちらを向いている。
 ふたりは向かい合っている。

 黒い衣装の二人組。

 僕は、彼女たちを知っている。

 片方はすみれ。
 片方はざくろ。

 ふたりはよく似ている。そのことを僕は知っている。
 鏡写しのように似ている。

 すみれの背後には階段があり、ざくろの階段には窓が――窓がある。




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