919:名無しNIPPER[saga]
2017/11/24(金) 00:59:38.57 ID:pmjGcbbto
「傷つけられた人間は、誰かを傷つけてもいい?」
「……」
「だったら、きみを傷つけた人間が、誰かに傷つけられていたとしたら、それは許される?」
今度はざくろが黙り込む番だった。
「べつに文句を言いたいわけじゃない。僕が言いたいことって、そんなことじゃないんだ。
きみを貶すつもりも、裁くつもりもない。僕にだってそんな資格はない。
傷つけたとか傷つけられたとか許すとか許されたって話は、たぶん、単純じゃないんだ」
「……」
「傷つけるって、そもそもなんだろう? どうすれば、誰かを傷つけたことになる?
情状酌量の余地があればいいのか? それとも過失ならば見過ごされるべきか?
故意でなければいいのか? 反省や後悔の有無は判断材料になるか? ――無駄なんだ、そんな話」
「……」
「どんなに着飾って見せても、言葉で正当化なんてできやしない。正しさっていうのは法律とは別の問題なんだと思う。
僕らは、この世に生まれた時点で、"正しさ"とかいうものに対して取り返しようのない遅れを持たされてるんだ。
どれだけ言葉で取り繕ったところで、上手にごまかしてみせたって、僕らは逃げられない」
「――逃げられない。だから、誰かを傷つけても仕方ない?」
「違うよ」
「だったら、なんて言いたいの?」
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