160: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/08/14(日) 00:16:12.70 ID:+mqIs3yrO
合宿二日目、時刻は0715。
朝食はスケジュール上一斉に行われる為、夕張と北上は、同じテーブルで食事を摂っていた。
昨夜北上に髪を乾かして貰った時に感じた、おぞましい感覚。
夕張はまだ若干それを引きずっていたが、北上はいつも通りだ。
あの時北上が、何らかの悪意を放っていた確証は、無い。
抱き着かれたのも、じゃれていただけとも捉えられる上、それこそ夕張の気のせいではないか、ともカタが付いてしまう案件である。
冷静に考えれば、確かにそうだ。
しかし夕張には、決して自分の被害妄想では無いような気がしていた。
「朝の味噌汁は生き返るねー。夕張ちゃんは別コースだっけ?」
「私は大型ですからね。でも教習車、ダンプかー…さすがにちょっと怖いですね。」
「大丈夫大丈夫、アタシなんか車初めてだよー?しかし一週間なだけあって、一日長いねー。」
今回行われる合同合宿は、艦娘向けに制定されたものだ。
退役後もある程度社会的に有利になるように、と言う配慮から始まったものだが、短期間での取得を目指す分、それなりにスケジュールは詰まっている。
夕張は大型研修、北上は小型車両を用いた基礎研修となる。
期間は個人によりおおよそ一週間〜12日、それぞれ普通車と小型免許を所持する二人の学科は少なく、予定は一週間程だ。
まずはコースでの研修を経て、路上教習の開始を目指す。
配布された作業着を着た二人は、端から見れば立派に車を運転出来るように見えた。
「はっはー!遂にアタシの黄金の左足が火を噴くねー。」
「北上さん、アクセルは右足ですよ。バイクも右手でしょ。」
この人大丈夫か、と夕張は不安に駆られるが、こちらも初めて乗る大型車だ。
日頃運転には慣れているとは言え、車体は愛車の数倍。
だろうではなく、かもしれない。
教習所で習った事を改めて反芻しつつ、彼女達はいざ1限目へと向かって行くのであった。
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