161: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/08/14(日) 00:18:31.93 ID:+mqIs3yrO
同日、時刻1855。
彼女達は夕食を囲んでいたが、明らかに朝よりペースが遅かった。
二人共、垂れた頭と共に垂れ下がった前髪で、目元はすっかり影が出来上がっている。
「いやー、ハンドル切る時さー…レバーに手ェ当たって、ウォッシャー液、プシューってさー……。」
「私、乗ろうとしたら、お尻から落ちましたよ…車高高すぎて。教官にすごい笑われました…。」
朝の勢いは、一体何処へ行ったのか。
二人は完全に意気消沈といった様子である。
特に夕張は運転には自信があったらしく、なかなかにへこんでいる模様だ。
ああも変わるなんて…と、彼女の目は今も高い運転席からの景色が見えているらしい。
「夕張ちゃんの乗ってたトラック、確かあのメーカーだよね…。」
「そうですよ……まるで巨乳に弾かれて落ちた気分でしたね…。」
「五十鈴だけに。」
「私達には。」
「手の届かないあの高い丘。」
「………やめましょう。」
「……うん。やめよう。」
互いの胸を見合い、彼女達はまた違う物悲しさに襲われていた。
そして二人の脳裏には、とあるオリーブ色のツナギを着た男が浮かぶ。
そういえばあの男、自ら女の好みや下ネタを語る場面を、誰も聞いた事が無いそうな……と思い出した辺りで、より一層深い溜息を彼女達は漏らした。
“いや、でもアタシの方が勝ってるし…!”
“作業着越しでも分かる薄さ……!ふふふ…私のが3は違うわね!”
尚、実際は1cm程度しか差は無いようである。
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